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誕生日に毎年届く手紙、差出人は… 10歳の節目にもらった文面が話題

絵本を読んでくれた子どもたちの誕生日に、毎年バースデーカードを送り続けている出版社があります。

過去に送られたバースデーカード
過去に送られたバースデーカード 出典: こぐま社提供

目次

 絵本を読んでくれた子どもたちの誕生日に、毎年バースデーカードを送り続けている出版社があります。10歳の誕生日に届くのはハガキではなく、少し長いメッセージが書かれた封書です。ネット上で注目を集めているこの取り組みについて、担当者に話を聞きました。

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ロングセラー絵本「11ぴきのねこ」
ロングセラー絵本「11ぴきのねこ」 出典: こぐま社提供

送っているのは「こぐま社」


 ロングセラー絵本「こぐまちゃん」「11ぴきのねこ」などのシリーズで知られる出版社・こぐま社(東京都)。

 購入した本に挟まれている愛読者カードに、絵本の感想や名前、年齢などを書き込んで送ると、毎年誕生日にこぐま社からバースデーカードが送られてきます。

 この取り組みを始めた理由について、担当者はこう説明します。

 「絵本を『読んで!』と言ってくれた子どもたちひとりひとりに『ありがとう』を伝えようと、1966年に創業してまもなくしてから、バースデーカードを送り始めました」

 描き下ろしの絵や絵本の一場面が描かれたポストカードで、宛名や住所は手書きされています。

過去に送られたバースデーカード
過去に送られたバースデーカード 出典: こぐま社提供
過去に送られたバースデーカード
過去に送られたバースデーカード 出典: こぐま社提供

ツイッターで話題に


 そんな取り組みが先日、ツイッター上で注目を集めました。

 10歳の誕生日に送られてきたのが、いつものバースデーカードではなく、封書に入った少し長い手紙だったというのです。

 手紙では、バースデーカードを送り始めたきっかけや理由、毎年どんどん送る相手が増えていることなどが説明されていて、こう記されています。

 「これから絵本と出会う小さな子どもたちへ、バースデーカードを受け取る楽しみをゆずってあげてくれませんか?」

 あくまで提案であって、これからも欲しい人には送り続けるということも書かれています。

 そして、最後はこう締めくくられています。

 これから大きくなっていくにつれて、きっと今までよりももっといろいろな種類の本に出会うことになるでしょうが、勉強やスポーツや、さまざまな楽しみも増えて、本からしばらく遠ざかることも、きっとあると思います。

 でも、もし、あなたがこまったときや、何か知りたくなったとき、だれかに相談したいときは、その相談相手として“本”があることも、どうぞ忘れないでいてください。

 本の中には、何百年も昔から生きてきた人々の知恵や知識やおもしろい考えが、いっぱいつまっています。

 きっと本があなたの力になってくれるときがあると、私たちは信じています。
10歳の誕生日に届いた手紙の最後の一文
10歳の誕生日に届いた手紙の最後の一文 出典: こぐま社提供

担当者の思い


 この手紙がツイッター上で紹介されると、「めっちゃいい文章」「わたしにも来たなぁ」「こぐま社さん素晴らし過ぎ」といったコメントが寄せられています。

 「節目を意識し、考える力もついてきた10歳というタイミングで、より小さい子どもたちのために譲る立場になったんだと知って、考えてもらいたい、という思いで文面を考えました」と担当者。

 取り組みが話題になったことについては、こう話します。

 「バースデーカードが届くまでには、ご家族が絵本を読んでくださって、愛読者カードを書いて投函し、こぐま社がカードを送るという作業があります。この手紙を通じて『あなたのことを思って支えてくれている人がいる』ということを、お子さんに感じてもらえたのであれば、うれしいです」

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