話題
平成最後の年に…なぜ昭和? ミニチュア家電を開発 販売元に聞いた
ラジカセやレコードといった昭和レトロな家電で、現代のコンテンツを楽しめたら――。
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ラジカセやレコードといった昭和レトロな家電で、現代のコンテンツを楽しめたら――。
ラジカセやレコードといった昭和レトロな機器で、現代のコンテンツを楽しめたら――。そんなコンセプトで開発された、ミニチュアサイズの家電ガジェットが今月末に発売されます。なぜ平成最後の年に昭和なのか? タカラトミーアーツの担当者に話を聞きました。
今月28日、タカラトミーアーツが「ザ・昭和シリーズ」の3商品を発売します。
・昭和スマアトテレビジョン(希望小売価格・税抜き3980円)
・昭和レコードスピーカー(4980円)
・昭和ミニラジカセ(5480円)。
それぞれテレビ、レコードプレーヤー、ラジカセのミニチュアのような外観ですが、スマホなどと連携させて現代のコンテンツを楽しめる点が特徴です。
スマホ動画を昭和風に鑑賞できる「昭和スマアトテレビジョン」。
専用アプリをダウンロードしたスマホを本体にセットすると、昭和風のレトロな画質で動画が再生されます。
ダイヤルをガチャガチャと回してチャンネルを切り替えたり、砂嵐が画面に現れたらたたいて直したり。そんな昭和時代の「あるある体験」も再現できます。
「昭和レコードスピーカー」は、ハンディサイズのBluetooth対応ワイヤレススピーカー。
本物のレコードプレーヤーと同じように、ターンテーブルに付属のミニチュアレコード盤をセットし、アームを動かしてレコード盤の上に落とすことで初めて音楽が流れ出します。
専用アプリを使えば、45回転風と33回転風の2種類のスピードで再生することも可能です。
「昭和ミニラジカセ」はその名のとおり、手のひらサイズのラジカセです。
AM・FMのラジオが聴けるほか、約3.2cmのミニカセットテープを本体にセットすると録音モードが作動して、ラジカセ本体への録音が可能に。カセットテープを裏返すことで、A面・B面それぞれ最大5分間まで録音できます。
また、「早送り」「巻き戻し」ボタンも付いていて、ラジカセならではの「キュルキュル」とした独特の音に合わせて、録音したデータの頭出しをすることもできます。
「昭和生まれの方々からの反応を想定していましたが、プレスリリースを発表したところ、当時を知らない平成生まれの方からも反響がありました」
そう話すのは、ザ・昭和シリーズの開発担当者・村田素子さんです。
なぜ、平成最後の年に昭和レトロな商品を企画したのか? その理由をこう説明します。
「『平成最後の○○』といった商品は、他社からもたくさん出ています。時代を象徴したり、社会を映したりしている製品は、やはり昭和に多かったのではないかと思ったんです」
カセットで音楽を聴いていたという村田さん。自宅を探しても現物が出てこなかったため、親戚に尋ねて取り寄せたそうです。
開発にあたっては、昭和時代をよく覚えている社内外の年長者たちにも相談。
「昭和スマアトテレビジョン」のたたいて直すという仕掛けは、そうした聞き取りの結果、盛り込まれました。
今回の3商品は、昭和というくくりの中でもそれぞれ時代が異なります。そのため、パッケージのデザインやフォントはあえて統一せず、各時代に合わせたものを選んで使い分けたといいます。
「昔使っていた方は、ぜひタイムスリップした感覚を味わってください。当時を知らない方は、『そんな時代もあったんだね』と不便さも楽しんでいただけるとうれしいです」
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