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#4 どうぶつ同好会
「オジサンの家系図」って何なの? かごしま水族館のTシャツが話題
かごしま水族館(鹿児島市)では「オジサンの家系図Tシャツ」が売られている?
かごしま水族館(鹿児島市)で「オジサンの家系図」が売られている? そんな話題がネット上で注目を集めています。いったいどういうことなのか、水族館に話を聞きました。
かごしま水族館のFacebookアカウントが先月31日、こんな投稿をしました。
この特別展では、おじさんが魚の名前を教えてくれるのでしょうか?
展示課主任の山田守彦さんに尋ねると、こんな答えが返ってきました。
「オジサンというのはスズキ目ヒメジ科の魚の名前です。口元のヒゲが特徴で、見た目がおじさんのようなんです」
普段から館内の人気者だというオジサン。企画展ではこの魚をメインに、タコノマクラやダンゴウオといった面白い名前の魚を展示して、それぞれの名前の由来などを紹介しています。
特別展に合わせて販売されているのが、Facebook投稿に登場したオジサン家系図Tシャツです。
S、M、Lの3サイズがあり、価格は税込み3780円。好評だったため追加発注したそうです。
先日、ツイッター上でこのTシャツが紹介されると、「欲しい!買いたい!」「オバサンバージョンは無かったですか?」といったコメントが寄せられました。
「自前で作ったものではありません。与論島在住の方が制作・販売しているのを飼育員が見つけて、特別展で売らせてくださいとお願いしたんです」と山田さん。
オジサン家系図Tシャツを制作したのは、デザイナー・イラストレーターの大田一貴さん(27)。
会社員を辞めて昨年4月に鹿児島県の与論島に移住。その2カ月後にこのTシャツを作ったそうです。
「オジサンという名前の魚を知って、『この魚にもお父さん、お母さんがいて、きっとおじさんも……』と考えるうちに、それを家系図にしてみようとひらめいたんです」
ターゲットはおじさんではなく、20代女性を意識したそうです。
「そのギャップが面白いかなと思って、あえてシンプルなデザインにしました。販売を始めてみると、老若男女問わず幅広い年代に売れています。歴史好きな人にも好評だったのは意外でした」
買った人が2度楽しめるようにと、Tシャツのデザインの中に、ちょっとした遊び心が隠されているそうです
「気づいた方から『芸が細かい』と言われて、とてもうれしかったです。ぜひ探してみてください」と大田さん。
話題になったことについては、こう話します。
「自己満足で始めたことが、こんなに大勢の方に笑っていただけました。『思ったとおりに生きていいんだ』と勇気をもらいました。次の展開も考えているのでご期待ください」
◇ ◇ ◇
オジサン家系図Tシャツは、かごしま水族館以外では大田さんのホームページ通販や島内の土産物店などで売っているそうです。また、ホームページでは「オジサンの家系図マグカップ」なども販売しています。
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