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お金と仕事

「カフェインで頑張る」は元気の前借り 震えに注意…返済は計画的に

目次

サラリーマンの日々をキャラ化した「城崎広告」のメンバーが日頃感じている疑問を、withnews編集部がフカボリ取材する「会社員のモヤモヤ」。58回目は「カフェイン摂取」についてです。
城崎広告
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今回の登場人物

猫渕渉
42歳の企画部部長。長年の経験で築いた人脈とそつのない仕事ぶりに定評あり。趣味は読書、お酒、料理。

 

菱乃木賢悟
事業推進部所属の32歳。新たな価値とガジェットを創造し続ける天才肌のメカニック。趣味は工作と家電新製品チェック。

 

菅原数臣
37歳の事業推進部部長。経理担当として経験豊富なうえ、ソフトウェア分野にも精通。趣味は数学、ミルクパズル、資産運用。

仕事にコーヒーを飲む人、多いと思います。気分転換になったり、ここ一番を頑張れたりしますよね。人によっては、エナジードリンクなんかを常用している人もいるのではないでしょうか?

 

猫渕

ぼくも眠気覚ましのコーヒーに頼ることはあるけど、カフェインの取りすぎはやっぱり気になるんだよね。

 

菱乃木

今のところボクも数臣クンも元気だし、ダイジョウブだと思うよ!

 

菅原

ですが、昨今カフェインの過剰摂取の問題を見聞きすることがあるのも事実です。ご心配おかけして恐縮です。

 

猫渕

まあ二人とも大人だし、ちゃんとわかってるとは思うけど……

 

菱乃木

あ、それじゃあ今回はこれについて取材をお願いしちゃおうよ!
いろいろな要因があるとは思いますが、それらに含まれるカフェインが、頑張るあなたをサポートしてくれている成分の一つということは知っている人も多いかと思います。
 一方で、過剰摂取によるカフェイン中毒のニュースも国内・海外問わず見受けられます。適切な量や使い方とはどのようなものでしょうか?国立精神・神経医療研究センターで精神科医を務める松本俊彦氏に話をききました。
松本 俊彦さん
 

カフェインは薬物の一種

 

菅原

本日はよろしくお願いします。
さっそくですが、カフェインとは医学的にはどのように見なされているのでしょうか?

 

松本

よろしくお願いします!
そもそも…というところですが、依存性の薬物の一種です。

 

猫渕

依存性の薬物ですか、いきなり怖くなってきました。

 

菱乃木

うーん、でも効果があるってことは薬だって考え方もあるよ!

 

松本

依存性の薬物は大きく「アッパー系」と「ダウナー系」の2種類に分けることができ、カフェインは前者の「アッパー系」の薬物に分類することができます。

 

菅原

2つの種類は作用にどのような違いがあるのでしょうか?

 

松本

それぞれの特徴ですが、まず「アッパー系」は疲労感が弱まったり、元気が出たりする作用があります。
逆に「ダウナー系」は気分を落ち着かせる作用があります。

 

猫渕

ということは、カフェインで疲れがとれたり、元気になったりするのは本当なんだね。
うーん、依存性って言葉がどうにも気になるなぁ。

 

松本

このような説明だと、カフェインの効果に関して過激な印象を与えそうですが、実は人類とカフェインとの付き合いの歴史は古く、コーヒーが現在のような飲み方をされるようになったのは約300年ほど前からだと言われています。

 

菱乃木

コーヒーにそんな歴史があったんだ!
まあ、ボクはエナジードリンク派だけど!

 

松本

戦闘の際に気分を高揚させるために使われたこともあったようですが、総じてカフェインと人は「うまく付き合って」きたのです。

 

菅原

なるほど。
問題は現代の私たちが先人のようにうまくつきあえているか、という点ですね。

摂取量を適切にコントロールして効果を出す

 

松本

では、身近な飲み物にはどのくらいのカフェインが含まれているのでしょうか?

 

猫渕

すごく心配になってきたので、ぜひ詳しく教えてください。

 

松本

ものによって差はありますが、コーヒー一杯で約50mg~100mgが含まれており、エナジードリンクだとだいたい1本あたりに約50mg程度が含まれています。

 

菱乃木

あれ、エナジードリンク方が効くイメージだったけど、コーヒーってすごいんだね!

 

松本

適切な量ですが、一般論として一日あたり成人で400mg以内、中学生以上の未成年では200mg以内、小学生では、ジュースや菓子類に含まれているのは仕方ないとして、コーヒーやエナジードリンクのかたちでは摂取しないようにした方がよいでしょう。

 

菅原

私たちは成人ですから、コーヒーに換算して4~8杯ですか。
ふむ、それくらいは日ごろから飲んでいますね。

 

松本

ただ、個人差がありますのであくまで一般論の話です。
摂取が1000mgを越えると不整脈や手の震えなどが発症し、5000mgを越えると死亡するという説もあります。
不整脈や震えが出た時点で摂取量が過剰である証拠なので、控えるようにしましょう。

 

菱乃木

個人差って大きいよね!
ボクはさすがに不整脈や震えの経験はないよ。

 

松本

また、コーヒーやエナジードリンクなどの摂取が習慣的になっている人も一日あたりの摂取量に気を付けるようにしましょう。
カフェインは耐性が付きやすく、同じ効果を得ようとして量が増えていく傾向があります。

 

猫渕

うんうん、二人はまさにそれだと思うよ。
気をつけてほしいなぁ。

 

松本

最近の傾向で、摂取量の増加がエスカレートして100mgのカフェイン錠剤を常用するようになり、急性カフェイン中毒で運ばれる人が増えてきています。

 

菅原

……耳の痛いお話です。

 

松本

カフェインの元気は「前借り」でしかありません。
体力の絶対量を増やすものではないので、使った分は後から疲労として返ってきます。

 

菱乃木

元気の「前借り」かぁ。
そう言われるとちょっと気をつけようって思うかも。
いざという時に返済期限がきてぐったりしちゃったら困るし!

 

松本

また、カフェインの耐性はすぐ高くなりますが、一度絶つと戻ります。
一定の間隔をあけて利用することで量と効果はコントロールすることができます。

 

菅原

改めて適切な摂取量と現在の摂取状況を鑑みると、私も賢悟君もカフェインの取り方を見直すべきだと考えます。
しばらく控えることで耐性を戻すことができるのは朗報ですね。

 

松本

計画的に利用することで引き続き役立てていってもらえたらと思います。

 

菱乃木

はーい! くれぐれも取りすぎには気をつけます!
目指せ、前借りしない健康経営!

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