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西野カナ、もうすぐ30代 少し前は「ギャル演歌」今は「南米で…」
「震える」歌詞が印象的な「会いたくて 会いたくて」など、誰もが一度は耳にしたことのある西野カナさん。来年、30歳になります。

「震える」歌詞が印象的な「会いたくて 会いたくて」など、誰もが一度は耳にしたことのある西野カナさん。来年、30歳になります。デビュー当時はギャルたちの共感を集める「ギャル演歌」の中心人物でしたが、恋愛にとどまらない曲づくりにも挑戦してきました。30代を迎える今、新たな目標はできたのでしょうか。(朝日新聞デジタル編集部・影山遼)
デビュー10周年
西野さんは2005年、4万人が参加したオーディションを経て、レコード会社と契約。2008年に1枚目のシングル「I」でメジャーデビューを果たします。今年でデビュー10周年。記念のアリーナツアーが全国で開かれています。

着うた1位
2010年には満を持して10枚目のシングル「会いたくて 会いたくて」をリリース。当時はやっていた着うたのフル週間チャート(日本レコード協会調べ)で初登場1位を記録しました。記者も周りの女子の流行に乗って、ダウンロードした記憶があります。この年、NHKの紅白歌合戦に初出場を果たしました。
詞は自分で書く。「遠距離恋愛の体験を基にした曲(『遠くても feat.WISE』)を出したら、とくに遠恋(えんれん)している人から反応があった。かっこいい言葉より、自分をさらけ出した生の言葉かどうかがポイントだと思う」
「でかい野望はありません」。ふふふと笑う。「一歩一歩進んで、いい曲をリリースして、ライブも重ねて、その流れで……。かっこいい音楽をさがしてる誰かから、『あ、これ西野カナのだったのか』って見つけてもらえるようになりたい」

「切ない恋」だけじゃない
西野さんというと、どうしても「切ない恋」の歌の印象があります。ですが、以前のインタビューによると、女性同士の友情を歌ったり、地元・三重への郷土愛を歌詞にしたりと幅広いテーマに挑み続けています。
《私以上に私のことを 知っているのは君だけ》と、女同士の友情を歌う「私たち」や、《久々にあの橋から夕日を見たいな まだあの花は咲いているかな?》と、ふるさと三重への思いをつづった「My Place」、元気な恋愛応援歌の「GO FOR IT!!」などだ。
「切ない失恋ソングも好きだけど、ライブで栄える曲や、聴くだけでハッピーになれる曲もつくろうと思った。切ない曲だけじゃなくて、色んなものを聴いてほしいから」と話す。
もっとも、そうした姿勢は今に始まったものではない。「表に見えている自分と本当の自分では、違う部分もある。だから、ポピュラーミュージックをやりつつ、シングルのカップリングでは、エレクトロとかラップとか、好きなことをしてます」

30代のスタンスは?
一時期、岐路に立たされた「ギャル演歌」にとどまることなく、「Darling」や「Bedtime Story」など、「らしさ」を失わずに、その時々の若者の心をつかむ側面も見せます。
29日にあったNHK紅白歌合戦のリハーサル。右手にマイクを持って左手を振りながら、本番さながらに「これからもどうぞよろしくね」と「トリセツ」を熱唱しました。
終わった後の取材では、9回目の出場でも「慣れることはない」と、西野さんは話します。この日、リハ-サル中の写真撮影はNG。本番まで秘密にしたいドレスは「去年のカジュアルなドレスとは違って、今年は『ザ・ドレス』という感じ。シルエットを見てもらいたい」。
「ギャル演歌」を抜け、若者たちの心をつかんできた西野さんも来年は30歳。30歳の目標を聞くと、「30代の10年で南米の国を全部回りたい。遠いのでスケジュールを合わせるのが難しいけど、絶景を見たい」。まさかの音楽ではないやりたいことがでてきました。想像のはるか上をいきます。これからも変化を続ける西野さんが見られそうです。
