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お金と仕事

「忘年会も業務」…時代は変わった 600年の歴史、欲求を満たそう

サラリーマンの日々をキャラ化した「城崎広告」のメンバーが日頃感じている疑問を、withnews編集部がフカボリ取材する「会社員のモヤモヤ」。55回目は「忘年会の活用方法」についてです。
城崎広告
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今回の登場人物

朝日奈彬
営業部所属の28歳。高いコミュニケーション能力とポジティブシンキングが長所。趣味はテニス、スキー、サーフィン、ランニング。

 

大神勇人
営業部所属の24歳。物怖じせずに相手の懐に飛び込む姿勢とフットワークの軽さが自慢。趣味はカラオケと祭。

 

夕永俊介
企画部所属の30歳。鋭い視点の持ち主でデータ分析やコンセプトデザインが得意分野。趣味はひとりキャンプと植物画。

 この季節になると誰しも経験することになる「忘年会」。何かと立て込む年末という時期もあって、正直ちょっと面倒な気持ちの人もいるのではないでしょうか?とはいえ、欠席というのも気が引けますよね。
 

 

大神

すすす、すいません、ついごちそうに夢中で……!

 

朝日奈

あはは、楽しんめてるなら何よりだと思うよ。

 

夕永

おれは「無礼講」といわれても構えてしまう方だからな、今回は飲みすぎないように注意している。

 

大神

いやでも、センパイたちのふるまいで目が覚めたっす!
サラリーマンにとって忘年会も仕事なんすよね!

 

朝日奈

うーん、楽しめるならそれが一番だと俺は思うけど、難しいところだな。

 

夕永

では今回はこれについて話をきいてみるか。
 どうせ参加するのであれば「忘年会を最大限活用する方法」を知りたい。ということで、昼夜合わせ年間400回の宴会幹事をしている「外食広報会」の栗田朋一さんにききました。
栗田朋一さん
 

忘年会も時代に合わせて変わってきている

 

大神

よろしくお願いします!
サラリーマンと飲み会は切っても切れない関係っすよね!

 

栗田

よろしくお願いします!

世の中で、「○○ハラスメント」という言葉が増え、働き方改革を推進する企業が増える中で、企業内の「飲み方」改革も進んでいるように感じます。

 

朝日奈

たしかに、出欠の意思確認なんかでも個人の都合を優先できる空気になっていますよね。

 

栗田

一昔前は忘年会に限らず、「飲み会も業務」という無言の圧力で強制的に参加させられているような企業もありました。

上司の武勇伝をひたすら聞く場だったり、宴会芸をやらされたりと大変な経験をした人も多いのではないでしょうか。
出典:PIXTA

 

夕永

おれたちが新人の頃にはだいぶそういった風潮は収まってきていたが、上司の武勇伝はよく聞かされたおぼえがあります。

 

栗田

そんな、忘年会も、諸説ありますが古くは室町時代の文献にすでに年忘れの記述があり、実に600年の歴史があります。
現在では「その年にあったことを忘れる」という意味の忘年という使われ方がメインですが、実は、年齢差を忘れて無礼講に付き合うと言う意味での「歳忘れ」の意味もあったようです。

 

大神

ろ、600年!? つか、ダブルミーニングだったんすね……!

 

栗田

ベテランの方ほど後者の「歳忘れ」し、若手の話を聞いてサポートできる会が現代の「良い忘年会」なのではないかと思います。

 

朝日奈

うちの社内は普段からそういう雰囲気だと思いますけど、会社によってはまだまだ昔ながらのところもありますよね。

 

栗田

でも、そんなに気を遣うのであれば、行かない、もしくは開催しない方がいいという声が聞こえてきそうですね。
でも、私は絶対に開催した方がいいと思いますし、参加した方いいと思います!

 

夕永

なるほど。ぜひその心を教えてください。

 

栗田

理由は色々ありますが、マズローの欲求5段階説に沿って説明をさせていただきます。
そのうちの3つの欲求を満たすことができることがおすすめの理由です。
欲求5段階
アメリカの心理学者マズローによって提唱された、人間の欲求は以下の5段階からなるという説。 1)生理的欲求、2)安全の欲求、3)社会的欲求(所属と愛情の欲求)、4)自我の欲求(尊厳と地位の欲求)、5)自己実現の欲求。 この5段階の欲求は、1)を底辺としたピラミッド型として表され、1)→5)の順で欲求のレベルが高次になるとされる。より低次の欲求が満たされることによって、順により高いレベルの欲求が生じ、最終的には自己実現への欲求が生じるとされる。
コトバンク

 

栗田

1)親和の欲求(所属と求愛の欲求)
 上司や同僚のことを知ることで理解し合えるという点です。普段接しない人と接することで、新しいコネクションができ、補い合うことで組織をより強くすることができます。
 また、成功話だけでなく失敗談の共有をすることで戦友に近い感情が芽生えることもあります。

 

大神

わかるっす!
お酒が入ってリラックスするからか、仕事場ではできないような話がきけて、ぐっと距離が縮まるっすよね。

 

栗田

2)承認の欲求(尊厳と地位の欲求)
 最近の若い人の離職率の一つの原因が「いいね」がもらえないからだと言われています。依頼した業務を完遂したのに「上司がほめてくれない」と思う人が多いようです。ベテラン社員からしたら当たり前の話なので、日常の業務の中で個別に褒めるまでもないというのが正直なところですが、日常の積み重ねがこういった場では評価されたりします。日本人ですと感情を出すのが苦手な人も多いので、褒めるのが苦手というベテランの方には、後輩や部下をぜひ褒めてあげる場にしてもらいたいです。

 

朝日奈

面と向かって褒めるのって気恥ずかしいところがあるから、こういう機会に目いっぱいねぎらい合いたいですね。

 

栗田

3)自己実現の欲求
 なりたい自分になれるということです。普段の生活や業務の中で、将来の夢や希望を語る機会はほとんどないのではないかと思います。普段言えないようなアイデアや職場の改善案をお酒の勢いを借りることで出しやすいですし、聞く側としても聞き流すこともできるので構えずに受けることができます。

 

夕永

ああ、一見突飛な企画でも、飲み会でなら感触を伺いやすい経験はおれにもありますね。

 

栗田

より有意義にするために、話す相手や話す内容を事前に考えておくとより目的を達成しやすいのではないかと思います。
前々から話しを聞いてみたかったあの人に話かけたり、内に秘めていた希望をそっと上司に話したりする機会として活用してみましょう。

 

大神

彬センパイも俊介サンも、そのあたりちゃんと意識して参加してたっす……!
やっぱオレも見習わないと!

 

栗田

忘年会は一年を振り返る会という位置づけの人が多いと思います。
それはそれで大切ですが、ぜひ未来に向けた話をする会にしていってもらえたらと思います。
夢や希望を語り、よりよい新年にしていける会にしていきましょう。

 

朝日奈

はい!
前向きで楽しい会にしたいと思います!

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