• 「投票に必要な筋肉」をトレーニング
• 制作者「「筋肉は誰にも嫌われない」
• 低調ぶり際立つ20代の投票率

2018/11/05

取材リクエスト内容

福岡市長選挙のPR動画が、
「投票のための筋肉を鍛える」という
相当振り切った内容でビックリしています。

https://www.city.fukuoka.lg.jp/senkyo/muscle_training/

なんでこんなCMをつくる流れになったのか・・・
取材をお願いします。 俳人丸

記者がお答えします！

　筋骨隆々の男性が、トレーニングをしている……かと思いきや、男性がしているのは「完璧な投票の準備」。18日に投開票を控える福岡市長選挙のために、市が作ったPR動画がネットで話題になっています。投票に必要な筋肉をトレーニングで鍛え上げ、投票所で実践するよう呼びかけるといった内容に「相当振り切った内容でビックリ」という声も上がるほど。いったいなぜ、こんな動画が生まれたのか。制作者と出演者を直撃すると「筋肉は誰にも嫌われない」という、大きな筋肉愛がそこにありました。（朝日新聞西部報道センター記者・柏樹利弘）

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出典： 福岡市長選向けに市選挙管理委員会が公開した動画「投票前トレーニング」

「投票に必要な筋肉」をトレーニング

　動画「投票前トレーニング」は、市選管が4日から特設サイトなどで公開しています。

　動画は全3本で、1本目は足腰を鍛える「投票所にたどり着くためのトレーニング」。「福岡市長選挙11月18日」と書かれたタンクトップを着た男性が、無言でスクワットを繰り返し、大臀筋をいじめ抜く。大写しになる大臀筋。その間、「投票所へのルートをイメージするとより効果的」などといったナレーションが流れます。

　2本目では、「投票用紙を美しく受け取る」ために、ゴムチューブを引き伸ばしながら背中（広背筋）を鍛え、3本目の「投票箱に着実に投票するためのトレーニング」を見て上腕三頭筋を強化すれば、スムーズな投票に向けた準備が完了する仕組みです。

「福岡市長選挙　投票前トレーニング」動画を公開中 🎬
「期日前投票に行くために早くトレーニングしたい！」というご要望にお応えして，
期日前公開❗️
いよいよ最終回，投票箱に着実に投票するための上腕三頭筋のトレーニング💪https://t.co/h8s9C3EFei#福岡市長選挙　#投票前トレーニング pic.twitter.com/bAMT007J4b

— 福岡市　広報戦略室 (@Fukuokacity_pr) 2018年11月9日

制作者「「筋肉は誰にも嫌われない」

　市選管によると、ツイッターの動画は15日昼時点で、再生回数が計28万回を超えました。SNSでは「こじつけ感が好き」「福岡市選管変なところに力入れすぎ」といった評価が飛び交います。

　それにしても、なぜ筋肉なのか。動画を制作した広告会社「西鉄エージェンシー」ディレクターの松尾昇さん（27）は「筋肉は誰にも嫌われない。若い世代には特に受け入れられると感じていた」と話します。

さぁ、投票の準備をしよう🗳️
11月18日の投票日に向けて「福岡市長選挙 投票前トレーニング」動画を公開中🎬
まずは、投票所にたどり着くための足腰のトレーニングから🦵https://t.co/h8s9C3Wg5Q#福岡市 #福岡市長選挙 #投票前トレーニング pic.twitter.com/JqQMYC4ajk

— 福岡市　広報戦略室 (@Fukuokacity_pr) 2018年11月4日

低調ぶり際立つ20代の投票率

　松尾さん自身、週1回のペースでジムに通っています。周りの20～30代にも筋トレを習慣としている人は多い。8月にNHKが放送した、俳優の武田真治さんらが黙々と筋トレに取り組む番組「みんなで筋肉体操」がSNSを中心に話題を呼んだことも企画づくりを後押ししたといいます。「世の中で筋肉に追い風が吹いていると感じました」

　市選管が、選挙啓発の取り組みとして募集をかけたのは、10～20代の有権者に向けたネットCM。前回市長選での20代の投票率は19.38%（市全体38.73%）と、低調ぶりが際立ちます。企画を持ち込んだ松尾さんは「市選管がこれにOKを出すかが最大の課題」と9月のコンペに臨みましたが、審査員を務める市職員らの笑いを誘いました。

福岡市長選の街頭演説に集まった人たち＝11月4日午後、福岡市内、長沢幹城撮影 出典： 朝日新聞

トレーナーの意見も反映

　主演を務めたのは、小原明人さん（33）。福岡市を拠点に活動する筋肉パフォーマー集団「ALL OUT」の代表を務めています。体脂肪率は8%で、大きな逆三角形のような広背筋が自慢です。

　制作者らは小原さんが経営するジムを訪れ、トレーナーが実演するさまざまな筋トレの動きを確認。スクワットなど、映像にした時にインパクトがあり、分かりやすいものを中心に採用しました。

　映像には小原さんの意見も採り入れられました。はじめ、松尾さんは広背筋を使った動作について、「投票所入場券を係員に手渡す動き」を提案しました。その時、小原さんは「それは筋肉的に間違っていないですか」と指摘。腕を前に差し出す動きよりも、後ろに引く時の方が広背筋をよりよく使うとして、「投票用紙を受け取る動き」に修正されました。

　小原さんは、筋肉的に正しい作品ができあがったと確信しています。「映像の通り鍛えれば、アドレナリンで投票所まで一直線に行けるはず。若い人たちにも、強い思いで投票してほしい」

「投票前トレーニング」に出演した小原明人さん（市選管提供）

検索してもわからないこと、調べます。

これが「完璧な投票」をするためのトレーニング！３段階に分けて紹介

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