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2018年11月14日

「僕は日本人で地球人」 黒い肌、アフロ受け入れた副島淳さんの思い

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「今は人間や情報が世界中を行き交う時代。国の『外』とか『内』とかいった定義で、地球を分けてしまうのは時代遅れだと思います」と語る、タレント・俳優の副島淳さん=松本俊撮影

「今は人間や情報が世界中を行き交う時代。国の『外』とか『内』とかいった定義で、地球を分けてしまうのは時代遅れだと思います」と語る、タレント・俳優の副島淳さん=松本俊撮影

出典: 朝日新聞

 「自分の外見に悩み、家族を責めてしまいました」。日本人と米国人の両親を持つ、タレントで俳優の副島淳さん(34)は、幼い頃をそう振り返ります。黒い肌に大きなアフロヘア、2メートル近い長身。明るいキャラクターも手伝い、NHKの朝の看板番組「あさイチ」でリポーターを務めるなど、今やお茶の間の人気者です。しかしかつては、その見た目から教室で孤立し、周囲に溶け込めなかったといいます。そんな副島さんに聞きました。「外国人っていう呼び名、どう思いますか?」(withnews編集部・神戸郁人)

【動画】見た目に葛藤した時期もあったが、今では周りの反応を楽しんでいるという副島淳さん=松本俊撮影

出典:朝日新聞

「何で俺だけ黒いんだ」母に怒声

小学生時代の副島さん。この頃から、周囲との見た目の違いに悩み始めた(画像を加工しています)

小学生時代の副島さん。この頃から、周囲との見た目の違いに悩み始めた(画像を加工しています)

出典: REMIX提供

<母親は日本人、父親は米国人という副島さん。日本で生まれ育ちましたが、周りの友人とは、幼少期から見た目が異なっていました。違和感を持ち始めたのは、小学生の時。クラスで容姿の特徴をなじられ、家族に当たってしまうこともしばしばだったそうです>

 ――副島さんは日本生まれ、日本育ちですね
 
 東京・蒲田で生まれ、後に千葉県浦安市へ引っ越しました。父親は物心つく前に蒸発してしまい、顔も分かりません。母方の祖母、母と暮らしていたので、昔から日本語だけで会話していました。実は、米国に行ったこともないんです。

 ――ご自身の見た目について、深く考えるようになったのはいつでしたか
 
 小学校に入った後でしょうか。僕は当時から縮れ毛だったのですが、そんな同級生は一人もいなかった。次第に「髪形が変だ」「お前は肌の色が違う」といじめられるようになったんです。それまでは何の疑問も持たなかったのに、生き方が変わってしまいました。

 ――生き方が変わったというと?
 
 活発だった性格が、引っ込み思案になりましたね。友達の輪に入ろうとすると、「外国人だろう」と仲間外れにされるので、自ら距離を取っていました。

 いつも教室の隅っこにいて、目立つ振る舞いは控える。クラスにはいるだけ、という感じです。心の中では「どうすれば仲間に入れてくれるのかな」と悩んでばかりでした。

 ――ご家族との関わり方はどうでしたか
 
 母を責めてしまうことが多かったです。
 
 「何で俺だけこんなに黒いんだ」
 「そのせいでいじめられているんだよ」

 学校から帰ると、ことあるごとに気持ちをぶつけていました。裏を返せば、彼女しか本心をさらけ出せる人がいなかったんです。
 
 でも、母は「いつかは必ず良い状況になる」「お前が強くなりなさい」と励ましてくれました。おかげで、苦しい状況をどう乗り切るか、自ら考える力は身についたと思います。とてもありがたかったですね。

「違い」の生かし方知った中学時代

中学校の部活の仲間たちと。後列の右から4番目が副島さん。バスケットボール部で身体能力を発揮できたことが自信に。副島さん本来の、ひょうきんな人柄も輝きだす。「劣等感しかなかった自分を、初めて良いと思えた時期」(画像を加工しています)

中学校の部活の仲間たちと。後列の右から4番目が副島さん。バスケットボール部で身体能力を発揮できたことが自信に。副島さん本来の、ひょうきんな人柄も輝きだす。「劣等感しかなかった自分を、初めて良いと思えた時期」(画像を加工しています)

出典: REMIX提供

<悩み深い幼少期を過ぎ、副島さんは浦安市の公立中学に進みます。バスケットボール部での活躍を通じ、弱点だと思っていた周囲との「違い」が、逆に武器になることに気づきました>

 ――成長するにつれて、見た目の捉え方は変わっていきましたか
 
 そうですね。転機は中学1年の時。高身長なのを見初められて、バスケットボール部にスカウトされたんです。

 初心者で最初は下手だったのですが、練習するほど結果につながるのが楽しくて。最終的には地区内で注目されるレベルの選手になれました。「居場所が見つかったな」という感じがしましたね。

 チームワークが求められる競技なので、部員間で協力できたのも良かったです。自然と会話する機会が増えて、他人と接することへの「免疫」ができたと思っています。

 ――友人と話すのに、抵抗がなくなった?
 
 はい。公立校だったので、部員には小学校の同級生も多く、相変わらず見た目をいじられることはあったんです。でも、うまく切り返せるようになりました。
 
 たとえば、「お前黒いよな」と言われたら「日焼けサロンで寝過ぎちゃって」、縮れ毛について指摘されれば「理科の実験に失敗して、爆発に巻き込まれた」……といった具合です(笑)。
 
 すると、笑ってもらえたんですよね。今まで弱点だと思っていた外見で、人を楽しませられると気づいた出来事でした。自分の容姿を初めて「いいな」と思え、どんどん人の輪に飛び込んでいけるようにもなりました。この体験は、今の仕事につながっていると思います。

一個しかないルーツで生きていく

「よく『あなたは外国人ですか?』と聞かれるんです。そのたびに『僕は日本にしかルーツが無いんですよ』と答えています」と話す副島さん=松本俊撮影

「よく『あなたは外国人ですか?』と聞かれるんです。そのたびに『僕は日本にしかルーツが無いんですよ』と答えています」と話す副島さん=松本俊撮影

出典: 朝日新聞

<日本で生まれ育ち、英語が苦手。なのに、周囲からは「外国人」と見られてしまう現実……。自分のアイデンティティーはどこにあるのか?そんな疑問の答えに、30代で初体験した、海外渡航を通じて到達します>

 ――ところで、副島さんは英語が苦手と伺いました
 
 おっしゃる通りです。中学1年の時、英語の定期試験の成績が、全然振るわなくて。先生は僕の見た目から、ネイティブ並みに使いこなせると考えていたようなんです。後で呼び出され「ふざけるな」と叱られました。以来、英語は「怖い」という印象が強いです。

 ――街中で、他人から英語で話しかけられることもあるのでは
 
 あります、あります。特に外国人観光客の方からは、ものすごい勢いで声をかけられます(笑)。でも、うまく答えられず、申し訳ないなぁと思うことが多いです。

 ――日本人であるにもかかわらず、外国人と見られてしまう。その状況を、どう捉えていらっしゃいますか
 
 確かに、見た目とのギャップは感じてきました。でも今は、「自分には日本人としてのアイデンティティーしか存在しない」と自信を持って言えます。
 
 2年前、テレビ番組のロケでニュージーランドに行ったんです。人生初の海外渡航でした。地元の大きな温泉まで自力で向かう、という企画で、住民にしゃべりかけないといけなかった。

 米国人のような見た目ながら、僕の英語は片言です。しかし彼らは、こちらの意をくんで手を貸してくれました。その経験から、生きる上で、容姿は大きな問題にならないと思ったんです。

テレビ番組のロケで訪れたニュージーランドでの一コマ。副島さんの明るさに、現地の子どもたちも思わずニッコリ

テレビ番組のロケで訪れたニュージーランドでの一コマ。副島さんの明るさに、現地の子どもたちも思わずニッコリ

出典: REMIX提供

 同時に、海外の文化に触れたことで、「僕は日本で育った日本人なんだ」と再認識することもできました。外見は、確かに日本だと一般的ではないかもしれない。それでも「一個しかルーツがないなら、それで生きていこう」という気持ちでいます。

外国人より「地球人」

おちゃめなポーズを決める副島さん=松本俊撮影

おちゃめなポーズを決める副島さん=松本俊撮影

出典: 朝日新聞

<観光客や留学生、技能実習生に永住者。海外から日本を訪れる人々は、年々増加する一方です。日本人と他国に出自を持つ人とを、時に隔ててしまう「外国人」という言葉は、現状になじまない部分も出てきています。副島さんが考える、新しい呼び方とは……>

 ――日本には海外から多くの人々が訪れ、定住するケースも増えています。親が海外の出身など、日本以外にもルーツがある「日本人」は少なくありません。「外国人」との呼び方は、ふさわしいとお考えでしょうか
 
 個人的には、「外国人」という言葉では、もはや人間を区分できないと思っています。時代遅れというか、字面のニュアンスが通用しなくなっているのではないでしょうか。

 僕のような見た目でも、話せるのは日本語だけという人は多い。逆に、日本人に見えて、別の国の言語しか分からない人もいます。となると、わざわざ国や文化によって、人を定義づける意味はないですよね。
 
 もはや地球全体が一つの国である、と言っても良いかもしれません。そうすると、「地球人」になるのかな?

 ――それなら、国の内や外という概念もいりませんね
 
 確かにそうですね!僕自身もまた、生まれながらに日本人であり、もっと言えば地球人だと思っています。
 
 もし今後、宇宙人と交流するようになれば、「太陽系人」「銀河系人」といった呼び方が出てくる可能性だってありますよ。「『地球人』なんて古くさい!」って言われているかも。ちょっと壮大すぎるかな(笑)。
 

◆副島淳(そえじま・じゅん)

 1984年7月18日生まれ。約195センチの長身で、アフロまで含めると2メートルを超える。雑誌のモデルや、舞台・映画俳優として幅広く活躍し、2017年4月からNHKの朝の情報番組「あさイチ」にレギュラー出演中。「人を笑わせ幸せにできる俳優」が目標。

 

 日本で働き、学ぶ「外国人」は増えています。でも、その暮らしぶりや本音はなかなか見えません。近くにいるのに、よくわからない。そんな思いに応えたくて、この企画は始まりました。あなたの「#となりの外国人」のこと、教えて下さい。

みんなの「#となりの外国人 #TonariNoGaikokujin」を見る

 

「日本人?…って驚かれるの楽しい」アフロ関東人・副島さん成長記録
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運動会に参加する、小学生の副島さん。この頃から、周囲と外見が違うことに悩み始めた。
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出典:REMIX提供
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