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47都道府県回らないとコンプできないバッジ ホテルで販売の背景は
ホテルチェーン「東横INN」がこの春、47都道府県を回らないとコンプリートできないピンバッジコレクション「ご当地GENKIバッジ」を発売しました。店舗ごとに販売しているデザインは異なりますが、取り寄せは不可。海外バージョンもあり、生半可な気持ちでは完全収集はできそうにありません。なぜ今、このような商品が生まれたのでしょうか。
台紙含めると全350種類
福島県は赤べこ、茨城県は納豆、山口県はフグ、広島県はもみじまんじゅう、群馬県はダルマ、福井県は恐竜、神奈川県は横浜中華街の肉まん、佐賀県は気球ーー。
ご当地GENKIバッジは、その土地の名物とホテルの建物がデザインされています。全部で52種類。国内47種類に、東横INNが出店する海外（韓国、フィリピン、モンゴル、ドイツ、フランス）バージョン5種類を加えました。
1個300円（税込み）で各店で買えますが、買えるのはその県のバッジのみで、他県のバッジは買えません。お取り寄せも不可。最初から全部がそろっている「コンプリートセット」も売られていません。宿泊客以外もフロントで購入できますが、いずれにしてもホテルに行かないと買えません。
すべて自力で集めようと思ったら、47都道府県を回る必要があります。
さらに、コレクター心をくすぐるのは「台紙」の存在です。「台紙」は店舗別に制作し、約350種類あります。各店舗の「ホテルのイチオシ」を紹介していますが、台紙のバリエーションも制覇しようと思うと、かなり大変です。
SNSでは、集め始めた人たちから「収集し甲斐が有るぜ！」「見事にご当地モノなところがさらなる沼」「東横インガチ勢なので 行ける範囲でコツコツ集めてます」といった報告が相次いでいます。
40年越しの「全国制覇」
現在、高知県以外の46都道府県に出店している東横INN。なぜ今、このバッジを作ったのでしょうか。
顧客満足推進本部の荻久保美紀さんによると、バッジ発売のきっかけは2024年4月。2026年2月にオープン予定の高知店の地鎮祭に合わせて新聞広告を出した際、社員から上がった声が始まりでした。
広告デザイン案の一つに、全国各地の名物とホテルの建物を組み合わせたデザインをちりばめたものがありました。
採用には至らなかったものの、一つひとつのデザインに複数の社員から「かわいい」「ユニーク」との声があがり、「このビジュアルをバッジにしよう」という話に発展したそうです。
1986年に第1号店を出店して以来、40年をかけて「全国制覇」へたどり着こうとしている今、東横INNの「全国ネットワーク」を知ってもらいたいという思いがありました。
荻久保さんは、「お客さまには一つひとつバッジを集めていただきながら、この県にもあの県にも全国どこにでも東横INNがあることを知っていただければうれしいです」と話します。
一方、「社員にとっては、この一つひとつのバッジは、一県一県の出店を表すパズルのピースのように思えるときがあります。ようやく47都道府県が出そろう。そんなメモリアルイヤーに向けて制作したバッジです」と思いを語りました。
40年分の思いが詰まったバッジは、モチーフやデザインにもこだわりました。
都道府県のモチーフを何にするかは、社内アンケートをもとに決めましたが、意見がかなり分かれて選定に迷った県もあったといいます。最大3センチ四方の中で精巧なデザインを追求しました。
高知のバッジのみ未発売
現在、開店前の高知県のバッジのみまだ発売されていません。
荻久保さんは、「2026年2月の高知店のオープンに合わせて、高知バージョンのご当地GENKIバッジを発売しますので、そのときまで、皆さまには息長くコレクションを楽しんでいただきたいです」と話しています。
海外店舗の5種類は、海外各店ほか、国内の空港店（羽田空港1・2、成田空港本館・新館、中部国際空港1・2、大阪伊丹空港）で購入できましたが、国内販売分は発売1カ月ですでに完売してしまったとのこと。再販希望の声が多く寄せられているといい、「反応の大きさに驚いています」。
高知のバッジの発売時期と場所や、売り切れたバッジの再販については、決まり次第東横INNの公式サイトでお知らせしてくれるそうです。
47都道府県回らないとコンプできないピンバッジ
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