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話題

踏み出すことだけが勇気じゃない 「逃げ」じゃなく助走が必要な時も

一歩を踏み出すことが勇気で正義。たとえ崖から落ちるとわかっていても……。

漫画「逃げるが勝ち」の一場面
漫画「逃げるが勝ち」の一場面 出典: 夏ノ瀬いのさんのツイッター

目次

 一歩を踏み出すことが勇気で正義。たとえ崖から落ちるとわかっていても……。そんな状況に「待った」をかける漫画が、ネット上で注目を集めています。「後ろに下がるのは逃げじゃない、助走なんだから。逃げだと思ってることだって必要な時もあるんだよ」と訴える作者に話を聞きました。

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タイトルは「逃げるが勝ち」


 今月11日、「逃げるが勝ち」というタイトルでツイッター投稿された漫画。崖の前で立ちすくむ人が独白する場面から始まります。

漫画「逃げるが勝ち」
漫画「逃げるが勝ち」 出典: 夏ノ瀬いのさんのツイッター

作者に聞きました


 この漫画に対して、「ほんとこれですよ」「今の私にぴったりのお話で泣きそうになりました」といったコメントが寄せられ、リツイートは5千、いいねは2万2千を超えています。

 作者は夏ノ瀬いの(@stylish_gorilla)さん。「アルバイター兼、漫画描いてる人」です。実体験を反映させたというこの漫画について、詳しく話を聞きました。

 ――この漫画を描こうと思ったきっかけは

 昔はこの崖に自分が立っていました。今は知人が立っています。はたから見てみると思うことがあったので、漫画にしました。

 ――「逃げではなく助走」という発想に至った経緯は

 自分もこの崖に立ち、「逃げてしまった……」と感じた期間が3年ほどありました。その時はあくまで自分を納得させるための言葉でしたが、今思えば、本当に助走に過ぎなかったですし、あの助走の期間があったからこそ今ここにいると感じます。なのでそれ以降は、普段からそういう考えでいます。

 ――この漫画を通じて伝えたかったメッセージは

 崖が飛べないなら、助走つけて飛んでもいいし、迂回してつながってる道を探すのもいいし、ハードルが高いなら下をくぐればいいし……。これらは全部生きる力で、叶える力なので「逃げ」じゃないよ!!ってことです。


自分を守るズルさを手に入れて


 ――描く上で心がけた点は

 私の描く漫画は、良くも悪くも「きれいごと」の類なので、しんどかった時の自分はそういうの嫌いでしたし、どういうテンションや言い回しだと届くのか?みたいなことを考えてます。

 ――「このセリフに注目」という点があれば

 「落ちるのが美学ですか?」は、私自身がよく思ってることです。特に日本は、捨て身とか自己犠牲なんかを美徳とする風習あるじゃないですか。その先には何も無いよ、っていつも思います。

 捉え方次第で「逃げ」も肯定的な意味になるんですから、自分を追い詰めちゃう人はまず、自分を守るズルさを手に入れてほしいです。

 ――多くの反響が寄せられていることについては

 率直に嬉しいです(笑)。「その発想はなかった」と言ってくださった方々の目に、今までと違った別の道が映りこんでくれればいいな、と思います。

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