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天井の「あの柄」なぜ人気に? トラバーチン模様、モデルは高級石材
学校や病院でよく見かける「天井の模様」が、ネット上で注目を集めています。
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学校や病院でよく見かける「天井の模様」が、ネット上で注目を集めています。
学校や病院でよく見かける「天井の模様」が、ネット上で注目を集めています。不規則に虫食いの穴があいたようなデザインで「トラバーチン模様」と呼ばれているようです。大手メーカーを取材すると、ある高級石材をイメージして作られたものだったことがわかりました。
ツイッター上で話題になっているトラバーチン模様の天井材。「オフィスとかでちらほら見かける」「保健室とか病院で寝ている状態のときよく見かける」「この模様なんでこんな普及してるの?」といったコメントが寄せられています。
「ジプトーン」という名前で呼ばれていた投稿があったので調べてみると、吉野石膏(東京都)の商品でした。
吉野石膏によると、トラバーチン模様を採用している天井材は「ジプトーン・ライト」など計6種類。そのうちの一つ、「マーブルトーン・ライト」の紹介ページでは、このように説明されています。
どうやらトラバーチン模様は大理石をイメージしたもののようです。webサイト「コトバンク」でトラバーチンを検索すると、デジタル大辞泉の解説として以下のように書かれていました。
吉野石膏がトラバーチン模様を初めて採用したのが、1968年に発売した「ジプトーン」。これが大ヒットし、その後に発売された商品にも使われるようになったそうです。
採用した理由については「大理石の模様を意識したのだと思いますが、昔のことなのではっきりとしたことはわかりません」とのこと。
トラバーチン模様を使った商品は現在も主力で、価格が手頃・ネジが目立たない・供給が安定している、といった点が支持されているそうです。
大建工業(大阪市)は、ジプトーン発売の4年前にあたる1964年に「ダイロートン」を発売。
トラバーチン模様を採用したロックウール吸音板で、公共・商業施設向けなどに毎月約30万平方メートルを販売しており、こちらも現役の主力商品です。
トラバーチン模様を使っている理由について広報担当者に尋ねると、こんな答えが返ってきました。
「約50年ほど前のことではっきりわかりませんが、ロックウール吸音板は、当時の経営トップがアメリカで鉱物質繊維板を見て採用を決めました。トラバーチンは古くからローマ建築で使用されるなど、海外では比較的メジャーであり、現地のトラバーチン柄をそのまま採用した結果だと推測されます」
機能的には、模様表面の穴によって天井の表面積が広がり、吸音性能が高くなることで、室内の気になる反響音が抑えられるそうです。また、施工の際に使用するビスが目立たないこともメリットのひとつだといいます。
天井の模様が話題になったことについては、こう話します。
「なかなか注目されない天井材が話題になり、当社製品にも興味を持っていただけたのであれば、大変光栄です。最近では消臭効果をプラスした商品もラインナップしています。快適空間を実現するために意図してつけた柄なので、性能にも注目していただけるとうれしいです」
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