連載
#19 #withyouインタビュー
「こんな姿になっても…」若者へ樹木希林さんが直筆メッセージ
役者の樹木希林さん(75)に、「生きづらさを抱える人たちに向けてメッセージを頂けませんか」とお願いをしました。今でこそ数々の賞をとる大女優ですが、過去のインタビューでは、幼少期は無口だったことや、役者になってからも「全然、必要とされない役者」だったと告白しています。その上で、「必要のない人間なんていない」と呼び掛ける樹木さん。がんで闘病しながら、いのちに向き合っている樹木さんから、編集部に届いたファクスは、どきっとする言葉がつづられていました。
編集部が樹木さんにインタビューを申し込んだのは7月中旬。それから約1週間後、突然、樹木さんご本人から、編集部に電話がありました。「ずっとずっと考えていて、お返事が遅くなっちゃったの。ごめんなさいね」
映画などで聞き慣れた気さくな口調は変わりませんでしたが、一言一言考えながら、「どうしたら伝わるのかしら。本当に無力よね、まったく書けないの」と話を始めました。ずっしりとした重みがありました。
自らつづって寄稿したいと、ファクスで送ってきてくれたのが、次のメッセージでした。
樹木さんは真意について、ファクスを送る前の電話で、こう話していました。
「どうしたら伝わるのかしら」。樹木さんは、つらくてつらくて、今まさに死を考えている若者の姿を思い、言葉を探していました。
「でもね、死んだ後の世界は素晴らしい、という風に、私は捉えていないの。生きている時より、大変らしいのよ。脅しみたいになっちゃうけどね」
だから、生きてほしい――。
樹木さんは、原稿料なども辞退し、言葉を託してくださいました。
樹木さんは、以前、朝日新聞のインタビューに幼少期のことを振り返っています。
樹木さんの小学校時代のエピソードがあります。
幼いころは、「学校に行かない日もあった」という樹木さん。役者を目指したものの、はじめは「全然必要とされない役者だった」とも言います。2015年には、不登校のイベントに参加して、子どもたちに贈った言葉が、反響を呼びました。
当事者の視点で不登校や引きこもりについて伝える「不登校新聞」がまとめた内容を引用させて頂きます。
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