話題
飲み会で先輩風を吹かせたら…本当に風が吹いた AIが発言解析し反応
上司が先輩風を吹かせて武勇伝を語り始めたら、椅子の後ろから本当に風が吹いてきます。
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上司が先輩風を吹かせて武勇伝を語り始めたら、椅子の後ろから本当に風が吹いてきます。
上司が先輩風を吹かせて武勇伝を語り始めたら、椅子の後ろから本当に風が吹き出してきて――。そんな装置が開発されて注目を集めています。企画したのはクラフトビール「よなよなエール」で知られるヤッホーブルーイング(長野県軽井沢町)です。「上下関係のないフラットで自由な飲み会をもっと広げたい」と話す担当者に話を聞きました。
ヤッホーブルーイングが3日に発表した「先輩風壱号」。椅子の後ろに合計6個の扇風機が付いています。
「会社の飲み会で誰もが一度は経験する先輩風を、AI解析による最先端のテクノロジーで見える化します」とうたっています。
マイクを通じてひろった音声から、以下の3つの指標を解析して反応するそうです。
(1)先輩風ワード検出=「俺の若い頃は」「近頃の若者は」など先輩風を感じる発言を検出
(2)会話内容解析=先輩の発言内容から「パーソナリティー」などを測定
(3)音声感情解析=先輩の発言内容の音声を波形解析し、声に込められた「感情」を測定
先輩風の度合いが強くなるにつれて、扇風機が2個→4個→6個と作動して風を吹かせ、本人に気づかせる仕掛けです。
「先輩風壱号は『チーム“ビール”ディング』というプロジェクトから生まれました」と話すのは、よなよなエール広め隊(広報)の根来桜さんです。
チームビールディングとは、チームづくりという意味の「チームビルディング」に、「ビール」を掛け合わせた造語。
「上下関係のないフラットで自由な飲み会がもっと広がれば、昨今の飲み会が抱える問題にポジティブにアプローチできるだけでなく、いい飲み会からいいチームづくりが実現できると考えています」と根来さん。
ヤッホーブルーイングでは全国の20代~50代のビジネスパーソン男女800人を対象に「上司と部下の飲み会実態調査2018」を実施。
仕事関係における飲み会で「上司が部下の1.7倍も話している」「部下の6割以上が上司の武勇伝を聞かされた」といった実態がわかったそうです。
話したい内容のズレや、話している時間の差などを少なくすれば、対等に話せるフラットな環境になるのではないか?
そう考えて、社員同士で企画の意見を出し合うなかで、「先輩風を可視化してみたらいいんじゃないか」というアイデアが出たそうです。
「夏だし、先輩風を吹かせたら本当に扇風機が回るようにしてみよう。そうすれば指摘しづらいことも言いやすくなる」
アイデアをもとに、実際の制作は造形作家の倉田光吾郎さんに依頼しました。
先輩風壱号が発表されると、ネット上では「おもろい」「飲み会でわざと言って楽しみたい」といった反応が寄せられています。
東京都内にある、よなよなエール公式ビアレストラン「YONA YONA BEER WORKS」の赤坂店では、8月17日まで先輩風壱号の体験ができるそうです。
また同じく17日まで、都内にある全7店舗で「無礼講ースター」の体験会も実施。無礼講ースターは、飲み会での「無礼講」を実現するために開発されたコースター型トークゲームで、3日に公式通販サイトで限定30個を発売したところ、1分で完売したそうです。
根来さんは「予想以上に多くの反響をいただいて驚いています。いい飲み会はコミュニケーションのきっかけになりますし、チーム作りにも役立ちますので、ぜひ楽しんでください」と話します。