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なぜ自動車博物館なのにトイレにこだわるの?
#10 あなたの知らないトイレ
車の博物館が「トイレ」にこだわる理由 15カ国から56台を集めました
石川県小松市にある「日本自動車博物館」のトイレが、ネット上で注目を集めています。
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なぜ自動車博物館なのにトイレにこだわるの?
#10 あなたの知らないトイレ
石川県小松市にある「日本自動車博物館」のトイレが、ネット上で注目を集めています。
石川県小松市にある「日本自動車博物館」のトイレが、ネット上で注目を集めています。世界各国の珍しい便器が備え付けられており、その数は日本製を含めて15カ国56台にのぼります。なぜ、車の博物館がトイレにこだわっているのか? 担当者に理由を聞きました。
20世紀に国内で活躍した車を収集し、使用可能な状態で約500台を展示している日本自動車博物館。
実業家で自動車愛好家でもあった前田彰三さんが1978年、富山県小矢部市にオープンさせました。1995年には現在の石川県小松市に規模を拡大して移転しています。
そんな博物館のトイレが先日、ツイッター上で話題になりました。
投稿された画像には、この博物館のトイレの案内板や便器が写っています。
案内板には博物館1~3階の男子・女子トイレにそれぞれ設置されている便器の生産国が記されており、便器は大きさや色、形状などが普段見かけるものとは異なります。
この投稿に対して、「自動車博物館なのに」「以前、流し方で戸惑ったやつかも」といったコメントが寄せられています。
なぜ、車の博物館がトイレにこだわるのか? 日本自動車博物館の施設運営課・前田圭一さんは理由をこう説明します。
「運営母体である石黒産業が住宅設備機器の販売会社であることが関係しているんです」
博物館を訪れるのは車好きの男性が多いため、一緒に来た女性や家族にも楽しんでもらおうと、小松市への移転を機に、本業のつてをたどって世界各国の便器を輸入して設置したそうです。
メンテナンス部品は入手困難なものもあるため、国産の部品を流用するなどしているといいます。
「使い比べていただくと、日本製品の良さを知ってもらえると思えます」と前田さん。
デザイン性を重視して選んだという各国の便器。一番人気は、美しい文様が施されたオーストリア製だそうです。
トイレが話題になったことについて、前田さんはこう話します。
「話題になったことで、北陸の地にある博物館のことを知っていただけるとうれしいです」
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