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18歳成人、「理想の大人」も変化? 石原裕次郎・福山雅治…今後は
時代とともに移り変わってきた理想の大人像。「世代論の教科書」の著書がある「博報堂新しい大人文化研究所」の阪本節郎さん(66)は、18歳を成人とする改正民法の成立で、今まで以上に若者に共感できる大人が理想になりそうだと話します。そのわけを聞きました。(朝日新聞東京社会部記者・山田暢史)
いま若者が理想とするのは、福山雅治さんや佐々木蔵之介さんたち。自分の価値観を大事に生き抜いているような人たちです。
多くの大人は会社や組織に所属し、仲間同士で空気を読み合う。スムーズに物事を進めるには良いが、煩わしくて、解き放たれたくもなります。だから、周囲に左右されず、自分の価値観を重んじる姿に憧れを抱くのです。
2022年、これまで「子ども」とされてきた10代の一部が「大人」になります。今まで以上に若者と感覚を共有する大人が良しとされるかもしれません。
理想像は変遷してきました。高度成長期の1960年代には、サラリーマンのスーツ姿は「ドブネズミルック」と揶揄され、会社に尽くすのが当然とされました。「貫禄」「成熟」といった価値観が重視され、テレビや映画で上司や父親を演じた俳優の山村聰さんや小林桂樹さんが理想とされた時代です。
大学紛争を経て権威への反発心が強い80年代は、自分を理解してくれる兄貴とオヤジの中間のような存在が求められました。石原裕次郎さんや渡哲也さんのような「頼れるボス」が典型でした。
2000年代になり、人口減で50代以上が成人の過半となりました。ですが、「下り坂」「余生」と評されがちの40~60代には、前向きな生き様も目立ちます。
若者中心のSNSは30、40代に広がり、若者の発信が世論として扱われることもあります。18、19歳は、若々しさを自負する大人とともに理想像を作ることになります。
ただ、18、19歳に「大人とは?」と問うても、あまりピンと来ない人も多いでしょう。若者と同じ目線で話が出来て、幅広い世代に受け入れられる。中居正広さんのような大人が理想となるかもしれません。
改正民法が成立し、18歳が大人の仲間入りをすることになりました。
いま私は27歳。5月に父親になり、世間的には「いい大人」と呼ばれることもあります。しかし、休日は寝てばかりで、妻にも「うちには大きな子どももいて大変」としかられる始末。大人としての未熟さを日々感じています。
今回の取材では、4年後に一緒に成人式を迎える高校1年と中学2年の姉妹にも話を聞きました。印象に残ったのは、妹の岸本和弥(なごみ)さん(14)の「高校すら卒業していないのに、大人の都合で急に『大人になれ』と言われても困る」という言葉でした。
いまの18歳や20歳の若者も年齢的に大人になったからといって、急に自分の行動に責任がとれるようになるわけではないでしょう。
だからこそ、社会が戸惑う若者を受け入れながら、理想とする大人の在り方を一緒に模索していく。その中で私たちも大人になっていくのかもしれません。
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