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図書館での自習「禁止する側」の理由 大正時代から議論の的だった
図書館での自習……そこは、勉強だけでなく、気になる人との出会いを期待する淡い青春の1ページの舞台にもなってきました。そんな図書館での自習ですが、実は禁止されているところが多いのです。図書館での自習はあり?なし? 大正時代から続いてきたこの議論。禁止する側の理由について、調べてみました。(朝日新聞記者・半田尚子、左古将規)
ただ、日本図書館協会の西野一夫・副理事長は「時代とともに図書館の役割は変わってきています」と言います。
愛知県の田原市中央図書館はツイッターで「みんなテスト勉強しに来てね!щ(゜д゜щ)カモーン」と呼びかけています。全350席で自習が可能。豊田高広館長は「まずは図書館に来て、いろんな知識や人に出会ってもらいたい」と期待しています。
図書館開館!ヽ(゚∀゚)/みんなテスト勉強しに来てね!щ(゚д゚щ)カモーン
— 田原市図書館 (@tahara_lib) 2013年10月12日
図書館の歴史に詳しい慶応大学の根本彰教授(図書館情報学)に聞きました。
「大都市の図書館は、比較的早く、高度成長期に建てられたものが多い。狭いスペースを有効活用するために、自習が排除されてきた面があります」
これに対して、2011年にできた武蔵野プレイスのように、新しく建てられた図書館では、子どもたちに居場所を提供しようという流れが生まれているそうです。
図書館での自習には家での自習とは違う意義があると根本教授は指摘します。
「いまの学校教育は暗記だけでなく、調べ学習や探究型の学習を重視しています。図書館にはいろんな資料があり、情報の蓄積がある。家で問題集を解くよりも、学びが広がる環境が図書館にはあります」
高校時代、図書館での自習に憧れていました。ジブリ映画「耳をすませば」が好きで、主人公の女の子がのちに好きになる男の子と出会ったきっかけが図書館だったからです。
自習をしていて顔を上げると、お向かいに座った誰かと、ぱちりと目が合うんじゃないか。気付いたらいつも同じ人が隣に座っているんじゃないか……。図書館で自習することに、淡すぎる妄想を抱いていました。
自宅から最寄りの市立図書館までは、電車やバスを乗り継いで約1時間。遠すぎて結局、自習に行ったことは一度もありませんが。
大阪市では市立図書館24館のうち、20館で自習が解禁されました。静かな環境でしっかり頭に知識を詰め込むついでに、学生さんたちにさわやかなときめきが訪れたらいいなあと思います。(半田尚子)
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