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連載

#6 #withyouインタビュー

「学校はすべてではない」マドジャスさんの「#withyou」

不登校経験があるライターのマドカ・ジャスミンさん
不登校経験があるライターのマドカ・ジャスミンさん

目次

 学校に行けない……行きたくない……このままだとどうなるんだろう……。そんな思いを抱えている人もいるのではないでしょうか。学校に行かなかった人は何をしていたの? 何を考えていたの? 不登校の経験者に聞いてみました。

 ブログで性感染症(STD)にかかった経験を告白したライターのマドカ・ジャスミン(マドジャス)さん(22)は、小・中・高校時代にそれぞれ不登校の経験があります。何度も不登校を繰り返して気づいたことは、「学校はすべてではない」ということでした。(朝日新聞社会部記者・滝口信之)

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全部読まなくてもいいです、これだけ覚えておいて

【マドカ・ジャスミンさんのメッセージ】
・居心地がいい場所は学校じゃなくていい
外に出て。相談できる人に出会えるかも
恥ずかしさや後ろめたさは個性
<マドカ・ジャスミン>1995年、神奈川県生まれ。ライター。Twitter(@mdk_jasmine)で性の問題など、若い女性を中心に相談に乗っている。著書に『Who am I ?』。
<マドカ・ジャスミン>1995年、神奈川県生まれ。ライター。Twitter(@mdk_jasmine)で性の問題など、若い女性を中心に相談に乗っている。著書に『Who am I ?』。 出典:写真は「マドカ・ジャスミン オフィシャルブログ」より

学校は君のすべてではない

 ――学校に行けないと悩む子どもがいます。

 「学校って生活のすべてではなくて、生活の一部だと思います。自分の居心地が良い場所が学校である必要はないです。学校はツールで、君のすべてではないよ、と伝えたいです」

友達から無視され不登校に

 ――マドジャスさんが小・中・高校時代に、不登校になったきっかけは何だったのですか?

 「小学生の時は、集団生活が嫌いで学校に行くのが嫌でした。朝起きると、急に学校に行きたくなくなる。両親の離婚で、父子家庭で育ちました。朝は『行ってきます!』と家を出ました。学校に行ったふりをして家に帰ってきていました。そのうち、父が気付いて、戻ってきたら家の前に立っていて、無理やり学校に連れて行かれたこともありました。教室に行かずに保健室に行っていました」

小学生時代のマドジャスさん=本人提供
小学生時代のマドジャスさん=本人提供

 「中、高は周りの友達とうまくいきませんでした」

 「中学生の時は、バレーボール部に所属していたんですが、『主将になりたい』と言い出せなかった。目標を失ってしまい、『なんでバレー続けているんだろう』と思って、部活を辞めました。そしたら、部活の友達だけでなく、クラスの友達からも無視されるようになった」

 「高校では、私服の学校だったので、周りが紺のブレザーで登校しているのに、ベージュのブレザーを着たり、ハイヒールにワンピースを着たりして登校していました。周りからは、『なんだアイツは?』となりました。周りから疎外されて、不登校になりました」

不登校経験があるマドジャスさん。ブログで性感染症の経験を告白しました
不登校経験があるマドジャスさん。ブログで性感染症の経験を告白しました

逃げ場がなく自殺未遂

 ――そんなときは何をしていたんですか?

 「学校の外に居場所を求めました。中学生の時は塾に行きました。学校で授業を受けていない分、勉強だけは頑張らないと、と考えていました」

 「引きこもるのではなく、外に出て、街に出れば変わると思います。私は高校の時、逃げ場がありませんでした」

 ――というと?

 「高校1年の時に、友達の1人ともめました。グループの中心の女の子です。周りの子にも『謝って』と言われました。でも、悪いことはしていないと思ったので、拒否しました。そしたら、自分の居場所がなくなってしまいました。父にも相談できませんでした。SOSの出し方が分からなかったんです」

 「トイレで自殺未遂をしました。意識がもうろうとしているときに、駆けつけた救急隊に助けられました。救急隊の人に『死んじゃダメだよ』と言われました」

 「必死の様子で父が駆けつけてきたんですが、父が『自殺なんてダメだよ』と言った瞬間の顔を見て、『なんでこんな事をしたんだろう』と思いました。だからこそ、引きこもって自分1人で解決しようとせず、ドンドン外に出てほしい。そうすれば、相談を聞いてくれる人に出会えるかも知れないので」

マドジャスさんは学生のとき「SOSの出し方が分からなかった」と話します
マドジャスさんは学生のとき「SOSの出し方が分からなかった」と話します

脱「良く見せたい」

 ――SOSの出し方が分からない人はどうすればいいんでしょうか。

 「周りの目を気にしないことだと思います。『良く見せたい』と思っている人が多いと思います。私自身もそうでした。自分だけで解決しようとせず、外に出るべきです」

 ――マドジャスさんはどうやって気付いたんですか?

 「大学受験に失敗して気付きました。小学生の頃から『慶応に行く』と宣言していました。理由はなかったです。落ちて、浪人するか考えたときに、『慶応の学生』って肩書がほしかっただけだ、と気付きました。周りからよく見られたかったのだと思います」

大事にしたいアイデンティティーは…

 ――多くの人は周りの人に「よく見られたい」「恥ずかしいことは隠したい」と考えます。

 「恥ずかしさや後ろめたさは、その人の魅力だと思います。私自身、父子家庭という環境や中卒であることに固執していました。でも、それはそれでマドカ・ジャスミンという1人の人間をつくっているアイデンティティーですし、個性なので、大事にしていきたいです」

マドジャスさんは、父子家庭という環境も中卒ということも「アイデンティティー」と考えています
マドジャスさんは、父子家庭という環境も中卒ということも「アイデンティティー」と考えています

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・24時間こどもSOSダイヤル 0120-0-78310(なやみ言おう)
・こどものSOS相談窓口(文部科学省サイト
・いのち支える窓口一覧(自殺総合対策推進センターサイト

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