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ご飯にチョコっとかけて! 廃番決まった調味料がまさかのブレーク

「ご飯にかけるチョコレート」の生産元ウェブサイトにある紹介文。
「ご飯にかけるチョコレート」の生産元ウェブサイトにある紹介文。 出典: 「喜代屋」のウェブサイトより

目次

 長崎県の会社が開発した変わり種の調味料が、ネット上でブレークしています。その名も「ご飯にかけるチョコレート」。取引先には「味が想像できない」とほとんど納品してもらえず、既に廃番が決定済みです。しかし今月にツイッターで話題となって以降、注文が殺到。担当者はまさかの展開に戸惑いつつも、「店のファンを増やすきっかけになれば」と期待をかけています。

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みそとチョコ、奇跡の融合

 今月11日、ツイッター上に商品の画像が投稿されました。茶色いペーストが入り、表面に金色で「ご飯にかけるチョコレート」と印字された瓶が写っています。

ツイッターに掲載されたものと同じ商品。
ツイッターに掲載されたものと同じ商品。

 閲覧した人たちは「勇気ある商品」「おはぎと思えばいいかも」などとコメント。画像のリツイート数は8千件を超え、意外な発想が関心を呼んでいます。

 生産元は、みそやしょうゆを製造・販売する「喜代屋」(長崎県南島原市)です。同社によると、カカオを多く含み、甘さが控えめなチョコを厳選。市販品より塩分が少ない減塩みそと混ぜています。

記者が食べてみた

 本当に米と合うのか?記者が購入し、食べてみました。

はしでつまめるほど粘りがあります。
はしでつまめるほど粘りがあります。

 炊きたてのご飯にのせ、口に含むと、みその塩味がいっぱいに広がります。すぐチョコの甘さが追いかけてきますが、あっさりしており違和感はありません。

 ペーストに練り込まれたピーナツも、かむほどに米と調和します。適度な歯ごたえがくせになりそうです。

 イメージとしては、チョコを使った『食べるラー油』といったところでしょうか。珍しい食感ながら、楽しく味わうことができました。

バレンタイン商戦狙うも「色物扱い」

 「はっきりいって、完全に遊び心でつくりました」。喜代屋の加来邦彦総務部長(59)は頭をかきます。

肉みそのようにも見えます。
肉みそのようにも見えます。

 加来さんによると、みそやしょうゆの需要は近年、減少傾向にあるそうです。「華やかな場所に出せるものがほしい」。そんな思いから、バレンタインのプレゼントを想定し、2015年12月に商品を売り出しました。

 しかし店頭に並んだのは、県内の道の駅など10カ所ほど。毎月の販売数は100~200個で、同じ期間に数万個以上売れる主力商品には及びません。「こんなもの売って大丈夫?」と、営業先から心配されることも多かったそうです。

 「ゲームセンターの運営会社から、『クレーンゲームの景品にほしい』と依頼が来るほどインパクトは強い。それだけに色物とみられがちで、正直、私たちも扱いかねていました」

隠し味、ドレッシング…使い方いろいろ

 今春には廃番が決まりましたが、ほどなくネット上で話題が沸騰。店のオンラインショップには、毎日20件前後の注文が舞い込んでいます。

 使い方はいろいろです。加来さんによると、カレーやスパゲティの隠し味にすると、こくが出てまろやかになるとのこと。マヨネーズと同じ割合であえ、ドレッシングにするのもおすすめといいます。

ドレッシングにすると、野菜スティックにぴったりです。
ドレッシングにすると、野菜スティックにぴったりです。

 「商品が突然注目を浴び、少し戸惑いはあります。でも、会社のファンを増やす機会にもなっており、とてもうれしいです。再販についてはなんとも言えませんが、売れ行きを見ながら考えたいですね」

喜代屋のオンラインショップはこちら
 

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