連載
#1 教えて!マニアさん
「顔ハメ」マニア語る「こんなパネルは惜しい」 5つの特徴があった
観光地で見かける、ご当地キャラなどの顔部分がくりぬかれた「顔ハメパネル」。その魅力にはまった東京のテレビマン鎮目博道さん(48)は、「顔ハメパネルは地域振興に役立てられる」と語ります。しかし、約300のパネルと出会ってきた鎮目さんには、「惜しい……」と感じるパネルが各地にあるのも事実。そこで、パネル作りのポイントや、パネル界の展望について聞きました。
鎮目さんがパネルに目覚めたのは5年ほど前のことです。絵本「こびとづかん」のパネルで撮った写真をフェイスブックで公開したところ、「みんなにウケた」。写真をアップし続けると、感想が寄せられ、「ここにもあったよ!」と情報が寄せられるように。面白い写真がネット上で広まれば、地域活性化にもつながると考えるようになりました。
ところが、マニアの鎮目さんから見ると「惜しい……」と思う看板があるのも事実。よりよいパネルを広めるために、「惜しいパネル」の特徴を教えてもらいました。
「これはダメです。自分の顔がぴったりはまらないと、演技ができない。まん丸よりも楕円(だえん)形の方がぴったりはまる」
「建物内で、ガラスを背に置かれていると、写真が逆光になってしまう。改札出た正面にパネルが置かれている、駅でありがちです」
「SNSのアイコンは正方形のものが多いのに、縦長のパネルが多いのです。お願いですから正方形で作って下さい。パネルに書かれた文字が小さすぎて、SNSにアップしても読めないものも」
「背骨が……」
「顔を準備した状態で、カメラとパネルの間を人が通りすぎるのを待つのが、絶妙に恥ずかしい……」
一方で、進化系のパネルもあります。立体物と組み合わせたタイプや、透明で体の動きも生かせるもの、顔だけでなく手も出せることで表現の幅が広がるパネルもあるということです。
では、魅力的なパネルを発見したらどうしたらいいのか。撮影の心得も聞きました。
「恥ずかしがらないのが大切です。中途半端は面白くない。顔ハメはひとつの演劇。役になりきった時は達成感があります」
各地でパネル写真を撮ってきた鎮目さんは、面白い写真が拡散することで、地域活性化につながるのではないかと考えています。
さらに、「若い子たちの表現の場になればいい」と期待します。「予定調和じゃないパネルを作ったり、面白い表情で写ったり。スポーツや勉強だけでなく、人を笑わせた子が評価される場もあっていい」と語り、顔ハメパネルの祭典「顔子園(かおしえん)」を構想しているそうです。
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