twitter facebook hatebu line LINE! 話題 2018/05/16 みんなの感想 「女性だけ特別扱い」ではない法律 男性議員多すぎは男性にも損? 議会のダイバーシティーをめざす法律。何それどんな法律? 何が変わるの? 新しい法律について解説します 女性 グラレコ 議会のダイバーシティーをめざす法律「候補者男女均等法」が、日本で初めてできました。何それどんな法律? 何が変わるの? 政治や行政の中心にいる人のセクハラ問題が話題のいまの日本。「みんな知っておいた方がいい」新しい法律について解説します。(朝日新聞記者・岡林佐和) 【PR】手話ってすごい!小学生のころの原体験から大学生で手話通訳士に合格 パリテって何? 解説するのは、法律に合わせて新しく誕生したキャラクター「パリテちゃん」です。まずは、キャラの由来から……。 記者 パリテって何? パリテちゃん パリテというのはフランス語で「同数」とか「均等」という意味。人口は男女半々だから議会も「パリテ=男女半々」にしていこうというフランス発の考え方のこと。 記者 海外では「パリテ」が進んでいるの? パリテちゃん フランスや台湾、南米諸国など法律で強く候補者の男女同数を求めている国もあるよ。 国会中継見て「あれ?」 「35億」というギャグがありましたが、日本はちょっと変な国なのかもしれません。例えば国会中継の風景は……。 記者 どうしてこんな法律ができたの? パリテちゃん 国会中継を見ていて、あれ、と思ったことないですか? いまの国会は、男性が9割、女性が1割(衆院)という構成になっています。 記者 「35億」というギャグは世界の人口70億人の半分という意味でしたね……。 パリテちゃん 社会を構成するのは男女半々なのに、あまりにもバランスが悪いよね。 女性は立候補までに壁が多い。「政治は男性がやるもの」という根強い性別役割分業の意識があるため、立候補しようとすると自分や夫の家族から反対される話もある。女性は、男性に比べ育児や介護のにない手になりやすく、時間やお金がないことも。与党では特に男性の現職議員が優先で、女性候補が出る余地が小さいことは、政党が女性候補を大物候補にぶつける「刺客」扱いをしがちなどの事情もある。 そんな中でのセクハラ問題 ハリウッドから始まった「#MeToo」運動。そんな中、日本で起きたのは官僚のトップによるセクハラ問題でした……。 記者 女性の議員の数って、あまり考える機会ないよね。 パリテちゃん あなたの住んでいるまちはどう?市町村議会では、全員が男性の「オール男性議会」も全体の約2割にあたる352あるんです。 記者 女性議員が少ないと、どんな問題があるの? パリテちゃん 「セクハラは人権侵害」「保育園が足りない」「ワンオペ育児は無理」――。女性たちがいろんな問題を抱えています。 でも、男性が9割を占める議会だとなかなか声が届かないことも。財務次官のセクハラ問題でも、政治家から女性の感覚とかけ離れた発言が出ているし。 本当に増えるのか! ようやく制定された法律ですが、本当に女性議員は増えるのでしょうか? そのために必要なこととは……。 記者 本当に増えるのかな? パリテちゃん 今回の法律は、「できるだけ男女均等にしましょう」と政党に求めているけど、実は強制力はないんです。だから、無視されちゃったらおしまい。 記者 じゃあどうすれば? パリテちゃん 選挙の時などに、政党の態度をチェックして「50%が目標なのに、どうして8%しかいないのか?」と声を上げていくことが大切なんです。 女性だけが得するの? よく言われるのが「女性だけが得するんじゃないか」という指摘です。でもそうじゃないんです。なぜなら……。 記者 「女性だけ得をする」っていう声、出てきそうですね パリテちゃん そんなことはなくて、政治の場に色んな立場の人が増えれば、女性だけにとどまらない効果が出ます。 記者 例えば? パリテちゃん 病気や障害などは誰もが抱える可能性があるよね。そんな時、みんなが生きやすい社会をつくることにつながる。 男女比だけでなく、あらゆる立場の人が政治に参加しやすい社会にしていく理由は、そんなところにもあるんですよ。