話題
もはやアート!な食品サンプル 「脱そっくり」な理由、制作元に聞く
先日、川崎市の商業施設に展示されていた食品サンプルが、ネット上で注目を集めています。
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先日、川崎市の商業施設に展示されていた食品サンプルが、ネット上で注目を集めています。
バランスゲームのような豚の角煮に、ポテトチップスで作った恐竜――。先日、川崎市の商業施設に展示されていた食品サンプルが、ネット上で注目を集めています。本来ならば食品そっくりに作るべきサンプルですが、並んでいるのは独創性あふれる「アート」ばかり。なぜ、このようなサンプルを作ったのか? メーカーの広報担当者に話を聞きました。
先月29日にツイッター投稿された複数の画像。いずれも川崎市の商業施設に展示されていた食品サンプルを写したものですが、通常のものとは異なります。
バランスゲーム「ジェンガ」のような豚の角煮や、ポテトチップスで組み立てられた恐竜、一見すると流木のように見えるデニッシュなど、まるでアート作品のようです。
この投稿に対して、「発想がとても面白い」「日常にあるもので作る非日常」といったコメントが寄せられ、リツイートは2万9千、いいねは5万8千を超えています。
これらのサンプルを作ったのは、「イワサキ・ビーアイ」(東京都大田区)です。
飲食店向けだけでなく、都内の合羽橋や東京スカイツリータウンの東京ソラマチなどで「元祖食品サンプル屋」を展開。製作体験や食品サンプルの技術から生まれた商品の販売も行っています。
話題になっているのは、3月24日から4月1日にかけて「グランツリー武蔵小杉」(川崎市)で開催されていたイベント「大人ディープな展示会“食品サンプルギャラリー”」に展示されていたサンプルだそうです。
本来は忠実に作るべきサンプルを、なぜこのような作品にしたのか? 広報担当者は理由をこう説明します。
「これらの作品は、商品開発や技術継承のために、ほぼ毎年実施している『製作コンクール』のためにつくられたものなんです」
ほぼ年1回のペースで開催されているという「製作コンクール」。社長賞や技術賞、商品企画賞、おいしさのアート大賞などが選ばれ、入賞別に賞金も与えられます。
「製作コンクールの目的は、技術の開発や継承、商品開発です。普段はお客様のオーダーに忠実なものづくりを目指していますが、コンクールは『つくりたいものをつくれる』場であり、通常業務の枠組みから離れて自由な発想のもと、持てる技術と経験の全てを注げることから、超リアルな作品や遊び心のある作品へとつながっています」
話題になったことについては、こう話します。
「少しでも食品サンプルの普及につながれば大変うれしいことです。時代の変化と共に進化を遂げ、今日も全国各地の飲食店様の店頭で、お客様の安心感づくりと集客に力を発揮しています。技術と伝統を皆様により身近に感じていただき、日本の誇るべき食文化の発展のため、世界に発信していきたいと考えています」
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