話題
阪神電鉄が「マナー下敷き」配布 あえて正解を載せない理由とは?
阪神電鉄が沿線の新小学1年生向けに下敷きを配布しました。
話題
阪神電鉄が沿線の新小学1年生向けに下敷きを配布しました。
阪神電鉄(大阪市)が、沿線の新小学1年生向けに下敷きを配布しました。駅構内のイラストが描かれており、ホームで走っている人や、歩きスマホをしている人たちが描かれています。「マナーについて考えるきっかけに」という狙いで作ったという下敷きについて、担当者に話を聞きました。
下敷きのタイトルは「みんなが困る アカンを探せ!」。表は駅構内のイラスト、裏には沿線スポットの紹介が描かれています。
表のイラストでは、禁煙のホームでタバコを吸っている男性や、駆け込み乗車する女性、歩きスマホでぶつかりそうになる青年たちが描かれています。
一方で、白杖の男性を案内する高校生や、優先席を譲る子どもなど、見本とすべきマナーも描かれています。
阪神電鉄では2008年から毎年下敷きを配布しており、間違い探しのような形式でマナーをテーマにしたのは、昨年に続いて2回目だそうです。
どういった経緯で下敷きを配布することになったのか? 阪神電鉄経営企画室の広報担当者に話を聞きました。
――下敷きを配布する狙いを教えてください
阪神電鉄では、魅力あふれる沿線の創造に取り組んでいます。その沿線の次代を担う子どもたちに、沿線と阪神電鉄をより深く知ってもらうとともに、電車に乗車するという社会への第一歩を踏み出すためのお手伝いができればと考え、配布しています。
――なぜ下敷きなのでしょうか
新一年生の入学記念として使っていただきやすいもの、阪神電鉄を知っていただくための良いツールとして選んでいます。
――今年は昨年同様「みんなが困る アカンを探せ!」ですね
昨年から「あえて答えを記載せず子どもたちに主体的に考えてもらう」ことをテーマにしていますが、学校の先生も含めて好評だったためです。
今年掲載されている車両は、昨年の5月から運行を開始している「5500系リノベーション車両」です。子どもたちから「あの電車はなに?」と問い合わせを受けることも多かったので、ぜひ知ってもらいたいと思って選びました。
――あえて正解を記さない理由は
下敷きを見ながら、友達、保護者、先生たちと話し合うことで、子どもたちに主体的に取り組んでもらい、マナーについて深く考えてもらいたいからです。
――イラストで示している事例をいくつか教えてください
マナーとして定着している「ホームで走らない」「大声で話さない」などのほか、最近よくお声をいただく「リュックサックの持ち方」「歩きスマホ」、そして模範的な事例として「白杖の方のお手伝い」「優先座席の譲り合い」などを記載しています。
――制作する上で工夫した点は
悪いマナーだけでなく、模範的な行いも記載しています。様々な行動が考えられる中で、とり上げる行動の種類と、それをいかに分かりやすく記載するかについて、関係部門と議論をしながら、かなり時間をかけました。
――昨年の反響は
「とても役立つし、見ていて楽しい」「子どもが『間違い探しみたい!』と興味を持って見ていました」といったご意見いただきました。
――新1年生に向けてメッセージを
まずは、この下敷きで沿線の行きたいところを見つけ、そして電車に乗るためのマナーを知ってください。あとは、楽しいお出かけを待つのみ。阪神電車で、皆さんをお待ちしています。
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