話題
大学入試にプチ異変? 追加合格が目立つ理由 定員と補助金の狭間…
国公立大の後期入試の合格発表が3月23日で終わりました。私立大と併願していた人も、最終的な進学先が決まる時期ですが、近年はちょっとした「異変」が起きています。私大の追加合格が目立っているのです。いったい何が起きているのでしょう? そこには大学とお金をめぐる「切実な理由」がありました。
近年、追加合格が増えている理由は、大学の定員管理が難しくなっているためです。
少子化が進むなか定員割れをする大学が増え、文部科学省は定員を大きく超えて入学させる大規模私大の補助金をカットするなど厳しい方針を取っています。
このため、まず少なめに合格者を発表し、他の大学の状況も見ながら追加合格で対応する大学が増えているのです。
多くの私大は、国公立大と併願している受験生のために、2段階の入学手続きを用意しています。
合格発表後1週間ほどで入学金の納付を締め切り、その後に前期の授業料や諸費用を納める方法です。
国公立大との併願先になりそうな私大の多くは、この最終締め切り日を、国公立大の合格発表日と合わせています。
ただし、大学や学部によっては、入学者数の見通しを立てるために、早めに締め切るところもあります。
「滑り止め」だった大学に入学金や授業料を納めた後、第一志望の大学に追加合格したら、お金はどうなるのでしょう?
最高裁は2006年の判決で、3月末までに入学辞退した場合の授業料の返還義務を認めています。大学に申し出れば、原則として返ってくるはずです。
ただ、入学金は「入学できる地位の対価」として返還義務の対象とされません。また、4月以降に辞退した場合は、授業料も返ってくると限りません。進学しない大学には、早めに入学辞退の連絡をすることが大切です。
3月末に進路が決まった場合、下宿探しも心配になります。いい部屋は、残っているのでしょうか?
国公立大との併願が多い芝浦工大は3月の最終週まで、部屋探しの特設会場を訪れる親子がいるそうです。
同大消費生活協同組合の田近民人専務理事は「大学に生協があれば、学生が住むエリアや、物件の情報を知っている。焦らず、相談してほしい」と話しています。
1/32枚