今回の登場人物
猫渕渉
42歳の企画部部長。長年の経験で築いた人脈とそつのない仕事ぶりに定評あり。趣味は読書、お酒、料理。
菅原数臣
37歳の事業推進部部長。経理担当として経験豊富なうえ、ソフトウェア分野にも精通。趣味は数学、ミルクパズル、資産運用。
千歳原教次
40歳の営業部部長。経験豊富で、他人に厳しく自分にはより一層厳しい。趣味はオーディオとバイク。

菅原
千歳原
猫渕
菅原
千歳原
猫渕
昔から「飲みニケ-ション」といった言葉があるように、飲み会など業務外でのコミュニケーションの場でも、業務に関する方向性が決まることがあります。
飲み会での決定は何となくダメな気がするけど、良いこともあるような…。企業や官公庁の働き方改革支援を行っている、業務プロセス・オフィスコミュニケーション改善士の沢渡あまねさんに聞きました。

意思決定が下されることはNG
理由としては、その場に居合わせなかった人との情報量の格差がある中で決定してしまっているからです。では、情報量の格差がある状態での決定すると、どのような弊害が生まれてくるでしょうか?
一番は、不公平感を感じることによるモチベーションの低下です。一つのチームとして同じプロジェクトに携わっているにもかかわらず、自分のいないところで知らない間に物事が決まっていたとしたら、意思決定に関われなかったメンバーはどう思うでしょうか?
恐らくは、「自分はこのチームには必要のない存在なのでは…」と自分の価値を低く感じ、自分の業務に対する前向きな意欲を削られると思います。

また、情報が偏ってしまうので、正しい判断ができないということも考えられます。その場にいた人だけの知見による判断になってしまうため、偏った情報による判断が下されることで、大局的な視点が抜けていたり、発生しうるリスクがカバーできていなかったりします。
企業の情報セキュリティーに対する意識の問題にもつながってきます。いつどこで誰が何をきいているかわからない今の世の中で、飲食店といったパブリックな場所で業務の決定に関わるような話をすることは大変リスクが高い行為です。
千歳原
菅原
千歳原
情報共有は積極的に
使い方次第では、そうとは言い切れません。職場のコミュニケーションは多い方が良いというのは周知の事実かと思います。事実、様々な企業がコミュニケーションの機会を増やすために様々な取り組みをしてきました。
一昔前であれば社員旅行や会社主催の運動会などがそれにあたるでしょう。
最近でもオフィスにダーツをおいたり、卓球台を設置したり、オフィスの一角に軽食コーナーを作ったりするなど、社員同士のコミュニケーションを良くするために手を変え、品を変え取り組んでいます。

飲み会もコミュニケーションを活性化するツールとして利用する場合、貴重な一つの手段として位置づけることができます。雑談や業務の内容でも情報共有をする場合の活用は積極的に行っていいと思います。
ただ、セキュリティーの観点から時と場所と話題に関しては気を付けたいですね。
猫渕
菅原
猫渕
社内SNSツールでの実践がおすすめ
具体的には、出てきたアイデアを関係者全員が見られるように、SNSに掲載し、その内容を基にして意思決定をしていく、といった流れになります。全員の目に触れられる場所に掲載した上で意思決定をすることで公平な合意形成の場を作り出すことができます。
こうすることで、飲み会に参加しないメンバーがいたとしても情報の公平感を保つことができ、結果としてそれは組織の意思決定への信頼につながっていきます。有能なマネジャーほど、組織における情報の公平感を大切しています。
菅原
千歳原
猫渕
まずは半径5m以内のコミュニケーションの改善から
試しにチーム内でSlackなどのコミュニケーションツールを入れてみる…ということができればいいですが、単純にオフィスの一角にお菓子コーナーを作ってみてコミュニケーションを増やす…であってもいいと思います。
小さなことでまずはやってみることで、オフィスの雰囲気ががらっと変わることもあります。
このような現場で始まった小さな取り組みが全社的な大きなうねりにつながるケースもたくさんあります。ぜひ今回の内容をヒントにしていただきつつ、職場のよりよいコミュニケーションにつなげていってください。
猫渕
千歳原
猫渕
取材を終えて~「城崎広告」より~
猫渕
千歳原
菅原
猫渕
千歳原
猫渕
菅原
猫渕
菅原
千歳原
猫渕
千歳原
菅原
猫渕