話題
「ハシビロコーヒー」命のつながり考える1杯 生息地の豆使ってます
「動かない鳥」として知られるハシビロコウ。そんな鳥をモチーフにしたコーヒーがネット上で注目を集めています。
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「動かない鳥」として知られるハシビロコウ。そんな鳥をモチーフにしたコーヒーがネット上で注目を集めています。
【ネットの話題、ファクトチェック】
「動かない鳥」として知られるハシビロコウ。そんな鳥をモチーフにしたコーヒーがネット上で注目を集めています。その名も「ハシビロコーヒー」で、神戸どうぶつ王国で販売されています。単なるダジャレというわけではなく、豆の一部はハシビロコウの生息地のものを使用しています。「生命のつながりを考えるきっかけに」と話す副支配人に話を聞きました。
今月17日にツイッター投稿された画像。そこには紙コップのようなコーヒーが写っていますが、ハシビロコウが羽を広げて、カップの縁にくちばしを付けるようにした装飾が付いています。
この投稿に対して、「本物がとまっているのかと間違えたほどリアル」「ツイートを見て、早速飲みに行きました」といったコメントが寄せられ、リツイート・いいねともに1万2千を超えています。
このコーヒーを販売しているのは、神戸どうぶつ王国(神戸市)。「花と動物と人とのふれあい共生」をテーマとした全天候対応の施設です。
どういう経緯でハシビロコーヒーを販売することになったのか? 神戸どうぶつ王国の副支配人・宮本江津子さんに話を聞きました。
――いつから販売しているのでしょうか
販売開始は2月2日からで、380円で販売しています
――どこで買うことができますか
王国内にある「アルパカフェ」というお店で販売しています。お召し上がりいただいた後のカップ(スリーブ)は、お持ち帰りいただけますが、持ち帰り用の袋はついていません。
――販売のきっかけは
メニューリニューアルの際、飲食部の方からレインフォレスト・アライアンス認証(環境・社会・経済面のサステナビリティを義務付けた基準に準拠していることを表す)のマークが付いたコーヒーを見つけたので、ぜひメニューに入れたいと提案がありました。
そのなかで、イマジネーションの神様が降りてきているスタッフが、ハシビロコウのコウとコーヒーをかけて、ハシビロコーヒーにつながりました。
――ネーミングではなく、認証コーヒーが先だったんですね
私どものような施設は、珍しい動物や可愛い動物を紹介するだけでなく、その動物たちの本来のすみか「野生」が今どのようになっているのか、そして彼らはどうしているのか、どうなっていくのかを伝え、地球に住む生きものの生命がつながっていることを伝える義務があります。
ハシビロコーヒーをお買い求めいただき、召し上がっていただくことで、生物多様性保全のための活動に自然と参加されていることになる仕組みになっています。
また、使用している豆の一部はハシビロコウの生息地タンザニアの豆を使用していますので、ストーリーがつながっています。
――スリーブのモデルは王国で飼育されているハシビロコウですか
デザインに関しては、王国のハシビロコウ画像を数点提供させていただきましたが、そっくりかと言われると……。
――商品化するにあたってこだわった点は
スリーブに関しては「眼力」にはこだわりました。「どや?」「うまいか?」と言わんばかりに見ている「眼力」には、何度もダメ出しをさせていただきました。これは絶対譲れないものでした。
アルパカやカピバラと違い「カッコイイ」イメージのハシビロコウなので、アニメタッチではなくリアルデザイン、フォントもそれにあったものを選びました。
――飲んでみたいという人に向けてメッセージを
たくさんの動物たちに出会った後のコーヒーブレイク。王国では様々な体験を通して「かわいい!」「ふわふわもこもこ~!」「チョー、カッコイイ!」などと、感じていただけると思います。
しかし、それだけではなく、彼らが野生でおかれている環境、彼らが絶滅してしまうことは私たちにどう関わってくるのか、そんなことを考えるきっかけになればいいなと思っています。
お客様にお召し上がりいただいているコーヒー1杯が、地球を救うという壮大なことにつながっていくこと、生物多様性循環の輪「生命のつながり」を守ることにつながることを、ぜひ心に留めていただければと思います。
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