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平昌五輪、韓国TV局に「突っ込み」自国の有力競技、大事にし過ぎ?
平昌冬季オリンピックは韓国でも日々、メダル獲得のニュースがメディアをにぎわせています。ただ、地上波のテレビ放送局の中継が、韓国が強い競技や一部の人気競技に集中。メダル圏に届かない選手の戦いぶりや、他競技の外国選手の活躍がほとんど見られない状態になっており、疑問の声も上がっています。(朝日新聞スポーツ部・中小路徹記者)
「トンゲ(冬季)オリンピック? トンネ(町内)オリンピック?」
韓国の大手紙の朝鮮日報(発行部数151万)はそんな見だしを掲げ、放送各社の偏った編成を指摘しました。
例えば、韓国の力が劣る男子アイスホッケー。2月15日夜の韓国−チェコ戦は、韓国が1−2と大健闘した熱戦でしたが、放映したのはスポーツ専門のケーブルテレビのみ。
韓国にはKBS、MBC、SBSという三つの地上波がありますが、いずれも、韓国の躍進が話題となっている女子カーリング1次リーグの日韓戦や、メダル獲得が期待された男子スピードスケート1万メートルを中継しました。
アルペンスキーはほとんど目にできません。リンゼイ・ボン(米)らが出場した2月17日昼からの女子スーパー大回転の時間帯は、3社とも午前からフィギュアスケート男子だけを中継していました。
同じ趣旨の記事は、2月20日付の中央日報も「米ロのビッグゲーム見たいけど……チャンネルを回しても」という見だしで掲載しました。2月17日夜の男子アイスホッケーは、ロシアからの五輪選手(OAR)と米国という最高の好カードでしたが、やはり3社とも韓国が強いショートトラックを放映しました。
両者の記事につくフェイスブックには、「まったく気に入らない。韓国勢の中継ですら偏っている」「(記事を読んで)本当にたくさんの冬季競技があるのがわかった。放送局にだまされていた」「ホテルに泊まる外国の観光客はとんでもない経験をするのだろう」と、違和感を覚える人々は少なくないようです。
一方で、「韓国選手が出ず、『メダル種目』でなければ、人々は関心は持たない。そういうものでは」と当然視する書き込みもありました。
また、二つの記事では、報道局が高い放映権料を払っている以上、広告収入が期待できる競技を放映せざるを得ない実情も報じています。
韓国ではサッカー・ワールドカップでも毎回、三つの放送局が一斉に韓国戦を中継します。
サッカーに関心のない人々から「見る番組がない」という声が上がるのが通例になっています。
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