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ちょっ待って!副市長、部下への「蹴り」動画 ロンボク島で何が?
ここはインドネシアのロンボク島。広場に並んだ男たちが、広場で蹴りを入れられています。「ぐぁー」「うぉっす」。男たちの野太い声に、周囲からなぜか拍手が……。同国マタラム市であった市政24周年の式典での出来事。いったい何が起きたのでしょう?
男たちは、そろいの黒いシャツにバンダナ。腕を後ろにして構えています。
そこに真っ白な制服で身をかためた上官風の男性が近づいてきました。
この人、副市長です。モハン・ロリスカナさんと言います。
帽子を取ります。
何かが起きる予感……。
副市長が、歯を食いしばって待つ男の前に立ちました。
胸の下を手の甲で触ります。何か狙いをつけたようです。
一歩下がって……突然、戦闘モードに!
鋭い蹴り!……蹴り?
何やってんですか、副市長!
蹴られた男は「グァー」と低い声。びくとも動きません。
表情を変えず副市長は、横に並んだ男たちに次々と蹴りを入れていきます。
手に持った自分の帽子が落ちても気にしません。回し蹴りまで入れてきます。
「ご、ご乱心?」
実はこれ、伝統武術プンチャック・シラットの腕前を披露するもの。
蹴られた男たちは、公共秩序庁の職員。選ばれた5人が「蹴り儀式」に参加しました。
ちなみに公共秩序庁は内務省の管轄にあり、各州、各市、各県単位で置かれている組織。警察ではありませんが、屋台が道路を占拠していたら排除をしたり、立ち退きに立ち会ったりするのが仕事です。
この副市長、地元ではフレンドリーな人柄で知られ、市民には人気者だそうです。
この日も、観衆は喜んで拍手をしており、式典のパフォーマンスとして場を盛り上げました。
現地にいたカメラマンは「副市長の蹴りのすごさや、職員5人の強さにも、みんな驚いていた」と語っています。
ただ、副市長の蹴りについては、ネット上では「強さを示したいなら仕事で示せ」というコメントも。
批判に対して公共秩序庁のマタラム市トップは「インドネシアの武術やボクシングで鍛錬しているので、部下をキックするのは普通のこと」と説明。
「部下だけでなく、私も蹴られたことがある。我々の強さを試すことは、副市長にとって普通のこと。怒っているから蹴るのではない。(蹴られた)職員たちはハッピーだ」とコメントしました。