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どうした有斐閣? 由緒ある社章がゆるキャラ化 部長に理由を聞いた
法律関係書で知られる出版社「有斐閣」。社章がゆるキャラ化して注目を集めています。
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法律関係書で知られる出版社「有斐閣」。社章がゆるキャラ化して注目を集めています。
【ネットの話題、ファクトチェック】
法律関係書で知られる出版社「有斐閣」(東京都千代田区)。明治10年創業の老舗で、扱っている書籍のせいか、お堅いイメージを持たれがちです。そんな会社の由緒ある社章がゆるキャラ化して注目を集めています。いったい何があったのか? 営業部長に話を聞きました。
今月5日にツイッター投稿された複数の画像。
そのうちの1枚には有斐閣の社章が写っており、獅子と鷲が向き合ったデザインが確認できます。
他の画像には、このデザインを元にゆるキャラ化したようなシュールなイラストが写っています。
この投稿に対して、「あの有斐閣さんが……」「時代が変わりましたね」「ライオンの顔が可愛いすぎてジワる」といったコメントが寄せられ、リツイートは7千、いいねは1万1千を超えています。
1877(明治10)年に東京・神田で、江草斧太郎氏が古書店として創業した有斐閣。
当初の社名は「有史閣」でしたが、2年後に「有斐閣」に変更。現在は、法令集「六法全書」「判例六法」や、雑誌「ジュリスト」「法学教室」といった法律関係書で知られる出版社です。
従来使われてきた社章については、ホームページで以下のように説明されています。
由緒ある社章に何があったのか? 取締役で営業部長の土肥賢さんは、こう説明します。
「社章をキャラクター化したもので、獅子は『シッシー』、鷲は『ワッシー』と名付けました。ただし、現時点で使用されているのは昨年4月発売の書籍『判例の読み方 シッシー&ワッシーと学ぶ』のみです」
著者は青木人志・一橋大学教授で、判例読解のための前提知識を会話調の文章で学ぶことができる本です。この登場キャラとして生まれたのがシッシーとワッシーなんだそうです。
「社員の落書きを元にして、デザイナーにキャラクター化してもらいました。堅いイメージをもたれがちな会社なので、内部でも議論がありましたが、『世間の話題に上ってこそ』という思いで採用しました」
実はシッシーとワッシーに先行して2016年1月、「ろけっとぽっぽー」という公式キャラが誕生しています。
有斐閣の看板商品「ポケット六法」を「ろけっとぽっぽー」と言い間違えたことがきっかけとなって誕生した、ロケットを頭上に冠した鳩のキャラで、有斐閣営業部のツイッターにも登場しています。
今回話題になったツイートの画像の中にも、シッシーとワッシーと一緒にろけっとぽっぽーが写ったものもありました。
社歴30数年の土肥さん。話題になったことについて、こう話します。
「本筋である内容は変えずとも、若い新しい読者の方々が親しむ接点として、ろけっとぽっぽーたちは大事なインターフェースだと思っています。反響の大きさに驚き、そして感謝しています」
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