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2018年01月19日

生物偏差値105・自宅にタランチュラ 筋金入りの生物好き女子大生

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お気に入りのクワガタの写真を紹介する篠原かをりさん

お気に入りのクワガタの写真を紹介する篠原かをりさん

 現役の慶応大生でありながら、昨秋に3作目の本「サバイブ 強くなければ、生き残れない」を発売したライターの篠原かをりさん(22)。高校時代の生物模試では偏差値105をマークしたことがあり、これまでに繁殖を手がけたクワガタは20種類以上。現在はタランチュラやサソリなども自宅で飼育している筋金入りの生き物好きです。動物の生態から様々な「強さ」を読み解いた今回の一冊には、篠原さんの「生き物愛」が詰まっています。



20種類以上のクワガタ繁殖手がける

 父親に連れられ、昆虫採集を始めた5歳頃から、生き物好きだという篠原さん。「母親の存在も大きかったですね。母親自体は生き物を好きなわけではなかったですけど、私に対して『絶対触っちゃだめ』というようなことを言いませんでした。なので、苦手にならずに済みました」

 当時から好きなのはクワガタです。「あのフォルムが好きです。カブトムシと色は似ていますけど、カブトムシはちょっとダサイ。クワガタのスタイリッシュさにはかなわないです」。中学生になってからは採集だけで飽き足らず、自ら繁殖も手がける「累代飼育」を始め、オオクワガタ、ヒラタクワガタ…など、これまで20種類ほどを育てています。

 「今までで一番成功したのは、ニジイロクワガタです。普通のピカピカした感じではなく、渋い色を出すことが出来て。今は、まだ出たことがない色や『究極の青色』を目指しています」

ニジイロクワガタ

ニジイロクワガタ

出典: 朝日新聞

図鑑や専門書で学習「生物は毎回100点」

 篠原さんの生き物好きには両親のバックアップもありました。「虫だったら『いくらでも飼っていい』みたいな風潮がありました。ゲームよりは健康的な趣味だと思われたみたいなんです。あとは本も何でも買ってくれました」。シートン動物記は、小学1年から高校3年まで読書感想文の題材にし続けたほどはまったそうです。

 虫でも動物でも、純粋な興味から図鑑や専門書などを読みあさり、生物学的な思考が身についたという篠原さん。その知識は、高校1年で挑戦した生物学オリンピックの国内予選で優秀賞。高校2年で受けた生物の模試では偏差値105を記録するなど、抜きんでたものでした。「他の教科は全然ダメだったんですけど、生物だけは毎回100点。偏差値で『今回は簡単だったんだな』とか難易度を測っていました」。

生き物への思いを熱く語る篠原かをりさん

生き物への思いを熱く語る篠原かをりさん

クイズが縁で作家デビュー

 大学は、AO入試で慶応大の環境情報学部に。「自宅で行っていた『カイコの研究』が続けられるかで決めました」。研究と並行して2015年には、デビュー作の「恋する昆虫図鑑」を刊行しました。

 文章を書くことも、小学生の時から好きだったという篠原さん。「2年生で書いた作文が『面白い』と評判になって。それまで人見知りで、学校で話す人もいなかったんですけど、クラスでも注目されて『文章っていいな』と思いました。中高生の時は文芸部で短編とかも書いていて。その頃はやったmixi日記で反響があったのも自信になりました」。

 出版までの縁は、もう一つの趣味である「クイズ」でした。「あるクイズ大会の会場が、たまたま翌年の『出版甲子園』の会場だったんです。そこに友達が「出版甲子園で司会をする」と宣伝に来ていて。それでイベントの存在を知って、応募しました」。そして、出場した2014年の大会でグランプリを取り、デビューにつながりました。



様々な「強さ」、動物通じて解説

 その後、1年に1冊のペースで本を出している篠原さん。3作目の「サバイブ」は漫画家の麻生羽呂さんとタッグを組み、「負けない」「追いつけない」「おさえきれない」など様々な「強さ」を動物の生態を通じて解説しています。

 「『強い者が生き残るのではなく、環境に適応した者が生き残っただけ』という言葉が好きなんです。今生き残っている動物たちも、それ自体が強さであると考えた時に、『弱者ゆえの強さ』のような色々な強さがあると思って。強さから生きるということを考えたいと思ったのが作品のきっかけです」

 「負けない」ではシャチのパワー、「追いつけない」ではチーターのスピード、「おさえきれない」ではウサギの繁殖力など、なじみのある話から雑学として使える知識まで、麻生さんの漫画とともに楽しく読み進められる一冊に仕上がっています。篠原さんがお気に入りなのは「手段を選ばない」で登場するマダラニワシドリについてです。

 「マダラニワシドリのオスには『階級』があるんです。そして、地位が低いオスが身の丈に合わない巣を作ると、地位が高いオスに壊されてしまう。それを知った時に『そんな人間味にあふれることを。身の丈って何なんだ』って思って。私自身、『身分相応な行動を取らなきゃ。でも何か疲れる』という気持ちを持っていたので、『鳥もそうなら、しょうがないな』と少し気が楽になりました」

 「動物はピュアで、人間だけが醜いというように言われることもありますが、動物にも陰湿な部分はあります。だからと言って、ずるいと考えるのではなくて、生き残っていくための戦術だと考えれば、単純な強さではない、変化球の生存戦略として尊いなと思えて。マダラニワシドリにもいとおしさがこみ上げてくるんです」

「動物生態学の入り口にもなっている本」と話す篠原かをりさん

「動物生態学の入り口にもなっている本」と話す篠原かをりさん

人間味あふれる動物に親近感

 動物と人間の世界を重ね合わせるのは、シートン動物記を初めて読んだ時から一貫しているという篠原さん。「動物の擬人化は、動物のことを好きになるきっかけの一つだと思うんです。私がそうでした。なので、これまで動物に興味がなかった人に『動物も人間と同じじゃん』というような親近感を持ってもらったり、漫画で読みやすくしているので小学生ぐらいの子どもたちが動物を好きになったりするきっかけになればうれしいですね」。

「動物園の動物はオモチャじゃない!」 飼育員の勇気ある掲示に反響
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マンドリルの「キーボー」。13歳のオス
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出典:おびひろ動物園
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