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実はこれ「テプラ」なんです! 浮世絵にモナリザ…作り方を聞いた
実はこの浮世絵、キングジムのラベルプリンター「テプラ」で作られたものです。
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実はこの浮世絵、キングジムのラベルプリンター「テプラ」で作られたものです。
【ネットの話題、ファクトチェック】
青空に映える浮世絵と思いきや、よく見ると小さな文字や記号が――。実はこれ、キングジムのラベルプリンター「テプラ」で作られたものです。いったいどうやって制作し、なぜ作ろうと思ったのか? ツイッターに投稿したキングジムの「中の人」に話を聞きました。
先月21日、キングジムの公式ツイッターアカウントが「きょうは『歌舞伎座開業記念日』なので、テプラで作った写楽をペタッ!」という文言とともに2枚の画像を投稿しました。
1枚目は、写楽の作品「三世大谷鬼次の奴江戸兵衛」を模したものを青空にかざして撮った画像。2枚目は、その拡大画像です。
一見するとイラストのように見えますが、拡大画像を見ると「!」「―」といった記号や、「空」「酸」といった文字で形作られていることがわかります。
この投稿に対して、「素晴らしい」「何という仕上がり!」といったコメントが寄せられ、リツイートは2200、いいねは4500を超えています。
きょうは「歌舞伎座開業記念日」なので、テプラで作った写楽をペタッ! pic.twitter.com/RyfT8G7dfQ
— キングジム (@kingjim) 2017年11月21日
どんな方法で、どれくらいの時間をかけて作ったのか? ツイッターの「中の人」に話を聞きました。
――なぜテプラで浮世絵を作ろうと思ったのでしょうか
2013年11月に、キングジムが取り扱う商品を知ってもらうきっかけとしてテプラアートを考えました。処女作は「モナリザ」で、今回の浮世絵は2015年2月に作成した5作目です。「歌舞伎座開業記念日」にあわせて、過去に制作したものをツイッター投稿したんです。
――他にはどんな作品が
東京駅開業100周年やサッカーワールドカップ、地球儀をモチーフに作ったことがあります。題材には旬なイベントや、教科書に載っているような誰もが知っている作品を選んでいます。写楽の作品は、有名であることに加えて、テプラアートにしたら絶対カッコイイ!と思い採用しました。
――浮世絵の制作にかかった時間は
3人で約5時間かけて作りました。作り方は以下の通りです。
(1)ラベルライター「テプラ」に、元になる絵を記号化したエクセルデータを流し込む
(2)ラベルを印刷する(作品によりますが、100~200本ほどのラベル)
(3)厚紙やボードなどに貼って完成
――工程の中で一番大変なところは
貼り付ける工程が一番集中力を使うので大変でした。気を抜くと貼る方向が斜めになったり、図柄がズレたりするため、3人で交代しながら、より完成度の高い作品を目指しました。
――工夫した点や苦労した点は
完成した際に青空をバックに撮影するところまで決めていたので、材料選びにこだわりました。テプラの透明ラベルに絵を印刷し、貼るボードも透明の素材に。「空に浮かぶ浮世絵」というコンセプトと、印刷した「テプラ」の図柄をきちんと伝えるために、撮影は晴れた日に本社の屋上で行いました。
ツイッターの投稿では軽めのトーンに見えるかもしれませんが、かなり徹底して作り込んでいます。今年創業90周年を迎えた、キングジムのものづくりに対するDNAかもしれません。
――「中の人は美大出身」といったコメントも寄せられていましたが
キングジムのツイッターは、通称(姉)と(妹)の2人体制で運用しています。(姉)が私で、美大出身(絵画科)です。
――次回作については
不定期の制作で、次回はまだ未定です。ただ、今回の写楽の反響が大きかったので、フォロワーさんから作って欲しい作品のリクエストがありましたら、採用したいです。
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