生徒目線を貫く
友道健氏さん=7月28日、広島県福山市の大成館中学校
5年生存率は50%
人生ってな、本当に思うようにいかんな、と思うよ。おまえらだって、勉強しても、勉強しても、うまくいかないことって、いっぱいあるじゃろ。先生も、こういう病気になってからいろんなことを考えて。人生ってうまくいかないことの方が多いんだわ。それが当たり前なんだわ。なんで、おれだけ、そんなこと思ってもしょうがないんよ。前に進まんのや。
そんなときにな、わしがほんと思うのは、あきらめんことや。どんなことがあっても、最後の最後まであきらめんことや。
努力したことは絶対無駄にはならんのや。ものすごくすばらしい能力を全員が持っている。おまえらの隠れた能力がまだまだある。おまえら自身が気付いていない。他人に頼るな。自分で伸ばせ。勉強は自分でするもんや。スポーツも自分でするもんや。自分との戦いだ。最後の最後まで自分を信じ切れるかどうか。それがあきらめん、ということだ。
わしは、今、その勝負をしよるんだ。どんなことがあっても、絶対にあきらめん。絶対にここに立って、帰ってくる。
でも、正直言って、治療は想像を遥かに超えるくらいしんどい。でも、しんどいから言って、泣き言を言ったら、前に進めん。ここで、あきらめずに勝負するんのや。自分の生命力との勝負なんや。
一時退院して中学校を訪れた友道健氏さんは、翌日に卒業式を控えた3年生を含む全校生徒と教職員を前に思いを語った=3月9日、広島県福山市、友道さん提供
サッカー部の活躍、心の支えに
「勝って友道先生を元気にしよう」
「もう一回、先生の喜ぶ顔を」
闘病中に一時退院し、大成館中学校のサッカー部の試合を観戦した友道健氏さん=8月8日、広島県福山市
「みんながいなかったら…」
闘病中に一時退院して学校を訪れた友道健氏さん(右から3人目)。6月の大会で優勝したサッカー部を激励し、香川君(左から)、來山教諭、坂本君、林君、宮澤君と優勝旗とともに記念撮影した。部員たちは「勝てば、先生の病気が治ると信じて戦った」と振り返る=7月28日、広島県福山市の大成館中学校
「何と幸せな校長なんだろうか!」
【動画】がん闘病の校長先生を支えた縁
自分の中学時代を思い出し…
入院中の友道健氏さん。パソコンを使って、病室からメールやフェイスブックで闘病の様子を知人らに伝えていた=6月3日、岡山県倉敷市
友道さんが教えてくれたこと

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