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コラム

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漫画みたいな大谷翔平に漫画家は…〝30秒で泣ける漫画〟の作者が描く

漫画家・吉谷光平さんが「漫画家から見た大谷翔平」について描きました。

漫画「漫画とリアリティ」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「漫画とリアリティ」の一場面=作・吉谷光平さん

 「漫画から出てきた」と言われることもある大谷翔平。漫画家はどう見ているのか? ツイッターに投稿した漫画「男ってやつは」が〝30秒で泣ける〟と話題になった漫画家・吉谷光平さんが描きました。

漫画「漫画とリアリティ」=作・吉谷光平さん
漫画「漫画とリアリティ」=作・吉谷光平さん
 「漫画から出てきた」。大谷翔平は、しばしばそう言われます。ならば、漫画家はどう見ているのか。大谷と同じ岩手県出身で、受験漫画「ドラゴン桜」のほか、「甲子園へ行こう!」「砂の栄冠」など野球を題材にした作品も多く、花巻東高時代から大谷を見守ってきた三田紀房さんに、朝日新聞の山下弘展記者が聞きました。
漫画「漫画とリアリティ」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「漫画とリアリティ」の一場面=作・吉谷光平さん
(以下、三田紀房さんのお話)

 かつて野球漫画には、「巨人の星」に代表される「魔球ブーム」がありました。そこに革命を起こしたのが、水島新司さんです。「ドカベン」など数々の作品で、野球漫画に「リアルさ」を持ち込みました。

 キャラクターが現実に即した動きをすると、設定も現実的になります。我々は空想、想像の世界でキャラクターをつくっていきますが、時として想像を超える人物は出てきます。しかし、それを漫画に登場させると、読者がリアルさを感じません。
漫画「漫画とリアリティ」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「漫画とリアリティ」の一場面=作・吉谷光平さん
 水島さん以降、野球漫画は成長に軸足を置いた「キャプテン」、最近ではプロ野球の内幕を描いた「グラゼニ」など、ほぼリアル路線です。そこに突如、大谷君です。「投手で4番」です。高校野球では当然ありますが、プロ野球でやられると、じゃあリアルさって何だ、ということになる。

 我々漫画界は、それに対する、読者の問いに対する答えが、まだ用意できていません。今後、大谷君に影響されて、過去のフォーマットを壊した野球漫画を若い作家が生み出すかもしれません。
漫画「漫画とリアリティ」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「漫画とリアリティ」の一場面=作・吉谷光平さん
 ただ、大谷君が今の野球漫画に与えてくれた可能性があります。球速です。170キロまでは描けるな、と。

 長く野球漫画では「150キロ」が豪速球の代名詞でした。しかし、現実では高校生でも投げる。180キロだと、「そんなわけないだろ」となります。しかし、大谷君が165キロを投げるのですから、あと5キロくらいは、あるかもしれない。

 例えば、高校野球で甲子園に主人公が出てきて、大谷君くらいの2メートル近い体にして、162キロくらいまでは描いてもOK。こういう投げ方をしています、とか、体の部位で、どこどこの力が強いとか、理論的な裏付けは読者が求めるので必要ですが、大谷君によって規制が取っ払われました。漫画界に、改革を起こしてくれたのです。
漫画「漫画とリアリティ」の一場面=作・吉谷光平さん
漫画「漫画とリアリティ」の一場面=作・吉谷光平さん


 【よしたに・こうへい】 漫画家。サラリーマン生活や漫画家アシスタントなどを経て、月刊スピリッツの「サカナマン」でデビュー。漫画アクションで「あきたこまちにひとめぼれ」を連載中、月刊ヤングマガジンの連載「ナナメにナナミちゃん」の単行本1巻が発売中。ツイッターで公開した2ページ5コマの漫画「男ってやつは」が〝30秒で泣ける〟と話題に。

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