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2017年11月16日

「カワイイばっか言ってんじゃねェ」 動物飼う意味、皮肉込めた思い


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新聞広告クリエーティブコンテストで最優秀賞に選ばれた広告「カワイイ?」(一部トリミングしています。全体は記事中で見ることができます)

新聞広告クリエーティブコンテストで最優秀賞に選ばれた広告「カワイイ?」(一部トリミングしています。全体は記事中で見ることができます)

出典: 日本新聞協会提供

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 「カワイイ」ばっか言ってんじゃねェ――。そんな挑戦的なキャッチコピーと、にらむような猫の写真。あるコンテストで最優秀賞に選ばれた広告です。テーマは「捨て犬・捨て猫問題」。制作した若手クリエーターは「ペットを捨てる人を非難するだけでなく、自分も捨てる側になる可能性をはらんでいることに気づき、みんながこの問題を考えるきっかけをつくりたかった」と話します。完成までの経緯を聞きました。

新聞広告クリエーティブコンテストで最優秀賞に選ばれた広告「カワイイ?」

新聞広告クリエーティブコンテストで最優秀賞に選ばれた広告「カワイイ?」

出典: 日本新聞協会提供

1127点の応募の中から最優秀賞に


 先日入賞作品が発表された「新聞広告クリエーティブコンテスト」。主催は日本新聞協会広告委員会で、若手クリエーターを対象にしたコンテストです。

 1127点の応募の中から最優秀賞に選ばれたのが、さきほどの広告「カワイイ?」です。

 審査委員からは「世の中のカワイイ志向と、捨て犬・捨て猫問題。二つの事象を一つのメッセージに昇華している。コピーとビジュアルの関係も絶妙だ」「瞬間的にかわいいと言いがちな世情に対するメッセージが込められている」といった声が上がったそうです。

 手がけたのは、広告・デザイン制作会社「東京アドデザイナース」に所属する平澤佳子さん(32)、野田智菜実さん(27)、北川礼生さん(33)の3人です。

受賞作を制作した3人。左から、デザインを担当した野田智菜実さん、まとめ役の平澤佳子さん、写真を担当した北川礼生さん

受賞作を制作した3人。左から、デザインを担当した野田智菜実さん、まとめ役の平澤佳子さん、写真を担当した北川礼生さん

出典: 東京アドデザイナース提供

身近に感じてもらえる広告を


 今年6月上旬から2カ月ほどかけ、仕事の合間を縫いながら完成させたという今回の広告。

 まとめ役でもある平澤さんは「クリエーターからの反応もそうですが、この尖ったメッセージを好意的に受け取っていただいた一般の方が多かったのがうれしかった」と話します。

 制作に先立ち、平澤さんと野田さんは殺処分の現状を知るために取材。保健所から引き取った動物の譲渡会を開いているボランティアに話を聞いたり、書籍や記事を読んだりしたそうです。

 デザインを担当した野田さんは「取材する中で『重苦しい』『かわいそう』といったイメージよりも、動物たちを生かすためにこんなに努力しているという事実の方が印象に残りました。身近に感じてもらえる広告を作らなきゃと思いました」。

最終案が決まるまで、写真やキャッチコピーの異なるバージョンが何種類も作られた

最終案が決まるまで、写真やキャッチコピーの異なるバージョンが何種類も作られた

出典: 東京アドデザイナース提供

最終段階でキャッチコピーを修正


 平澤さんと野田さんでイメージを固めた上で、北川さんに写真を依頼。1000枚以上撮影した中から北川さんが100枚ほどチョイスし、その中から野田さんが数枚に絞り込みました。

 撮影時の様子について、北川さんはこう振り返ります。

 「猫は動くし、言うことなんて聞いてくれません。ソファを用意してポーズ写真を撮ったり、可愛らしい表情も撮ったり。明るい場所だと猫の目がこわくなってしまうため、薄暗い中で撮影したので苦労しました」

 北川さんの写真にキャッチコピーを組み込んで印刷。出来上がりをみた平澤さんは、最終段階でキャッチコピーを修正したそうです。

 「当初は『かわいそうって言ってるだけか』でした。でも写真を見たときに、殺処分に限らずペット全般の話にした方が、もっと多くの人に届くのではないかと思い、『カワイイ』という言葉を使うことにしました」

当初は「『かわいそう』って言ってるだけか」というキャッチコピーだった

当初は「『かわいそう』って言ってるだけか」というキャッチコピーだった

出典: 東京アドデザイナース提供

こんな写真あったっけ?


 完成した広告は見事、最優秀賞に選ばれました。

 野田さんは「こんなに意見をぶつけ合いながら広告を制作するなんて貴重な経験でした。『こういう表現が求められている』という意識を取っ払って、どうしたら伝わるかを考えないと人の心は動かないんだなと実感しました」と話します。

 写真を担当した北川さんは「出来上がりを見て、『こんな写真あったっけ?』と驚きました。『さすがデザイナー!』と野田さんの腕前に感心しました」。

 そして、まとめ役の平澤さんは、こう話します。

 「今回はクライアントがいないこともあって、どんな絵や言葉だったら心に届き、行動につながるかという点を純粋に考えることができました。また、審査員ウケや過去の受賞作の傾向なども考えませんでした。尖った表現でも、そこに込めた意図がしっかりしていればネガティブに受け取られることなく響くんだと実感できたことが、これから活動する上での収穫になりました」

新聞広告クリエーティブコンテストのページはこちら

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