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PPAPは言語学的にも最強だった 「口が気持ちいい言葉」の特徴は
「ペンパイナッポーアッポーペン(PPAP)」「墾田永年私財法」「サイン・コサイン・タンジェント」など、声に出すと「口が気持ちいい」と感じる言葉たち。こうした言葉はツイッターでもリスト化され、たびたび話題になっています。何度でも言いたくなる、思わずつぶやいてしまう言葉にはどんな特徴があるのか。言語学の専門家に話を聞くと、PPAPは言語学的視点からも、「最強ワード」であることが分かりました。
「口が気持ちいい言葉」でネット検索をすると、2万6千リツイートされた3年前のあるツイートが出てきました。機械仕掛さん(@kikaijikake)が「大学時代に課題制作で使うためにストックした『口に出すと口が気持ち良くなる言葉』です」とつぶやいたもので、添付されたリストには「ポリプロピレン」「二酸化マンガン」「王政復古の大号令」など、確かに言いたくなるような言葉ばかりが並べられています。
私が大学時代に課題制作で使うためにストックした「口に出すと口が気持ち良くなる言葉」です。ご確認ください。 pic.twitter.com/8A1ILmghYg
— 機械仕掛 (@kikaijikake) 2014年12月4日
「趣味として普段から面白いと思った言葉をスマホのメモ帳に書き留めていた」という機械仕掛さん。投稿には4万4千の「いいね」がつきました。「想像以上の反響があって動揺した一方で、やっぱり似たようなことは感じているんだな、と共感してもらえたことへのうれしさがありました」
「語呂が良く、リズミカルであること」といった感覚で言葉を集めたそうですが、リストにすると「墾田永年私財法」「王政復古の大号令」といった七五調の言葉が多かったそうです。
「口が気持ちいい言葉」の魅力について聞くと、機械仕掛さんは「読み上げたときに、少しだけ楽しい気持ちになるところです。ついつい足でリズムを取ってみたり、指を指揮棒のように振ってみたりしたくなります」と楽しみ方を教えてくれました。
機械仕掛さんの「口が気持ちがいい言葉」
「ポリプロピレン」
七五調のリズムは、昨年のPPAPがブームになった時も指摘され、そうした言葉を集めたツイートが話題になりました。「短歌や俳句などに代表されるリズムで、日本人が好むものとして根付いています」。こう話すのは国立国語研究所の窪薗晴夫教授(言語学)です。
窪薗教授によると、元々農耕民族である日本人は、田植えや稲刈りにおいて、左右左右と足を動かすなど、単調なリズムに親しんできました。その結果、ワルツのような三拍子よりも、四拍子や二拍子が日本人の感性にあっているという説があるそうです。
窪薗教授の「口が気持ちがいい言葉」
「ペンパイナッポーアッポーペン」
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