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国会議員が「時間配分」を気にする理由 「国会質問」めぐってバトル
衆院選が終わり、特別国会が召集されました。新たに選ばれた国会議員たちがこれから国会を舞台に論戦を繰り広げます。そんな中、国会の質問時間をめぐって与野党がバトルになっています。どういうことでしょうか。(朝日新聞政治部デスク・林尚行)
テレビで中継される予算委員会など、国会議員にとって国会質問は晴れ舞台です。この国のあるべき姿や、法案の是非、政権の政治姿勢の問題点の追及など、幅広いテーマについて、与野党議員が首相や閣僚たちと丁々発止のやりとりをします。
実はこの国会審議。慣例として野党に時間が多く配分されているんです。最近は、与党2に対して野党8。与野党で話し合い、時間を野党に譲ってきました。
しかし、国政選挙で何度も勝ってきた安倍政権を支える自民党は、時間配分を見直し、議席数に応じた質問時間を割り振るべきだと言い始めました。衆院では与党は7割近い議席を持っています。さすがにその割合通りとまでは言っていませんが、現在の「与党2」から引き上げたい考えです。
ただ、国会には行政府をチェックする機能があります。政府と与党は一体性が高いのでチェックには限界があり、批判的な立場で目を光らせる野党の質問時間が封じられれば、チェック機能が低下するのでは、という懸念もあります。衆院選に勝った安倍首相が長期政権を続ける可能性が高まる中、どうやって健全な国会機能を守っていくのか。与野党の姿勢が問われています。