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コラム

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褒める代わりに「好き!」と言おう あなたに贈る〝1分間スピーチ〟

ひきたよしあきさんによる「1分間スピーチ」。今回のテーマは「褒める代わりに『好き!』と言おう」です。

今回の「1分間スピーチ」のテーマ
今回の「1分間スピーチ」のテーマ

 広告会社「博報堂」のクリエイティブ・プロデューサーで、スピーチライターでもある、ひきたよしあきさんによる「1分間スピーチ」。今回のテーマは「褒める代わりに『好き!』と言おう」です。

本日の〝1分間スピーチ〟

では、スピーチを始めます。

これは友だちのSさんから聞いた話です。

子育て中の彼女は、最近の「ほめるだけの教育法」に疑問をもっています。

「褒めるってさぁ、結局こっちが評価しているわけでしょ。『これ、いいね』って褒めるけど、それって、やっぱり上から目線よね」

言われてみればその通り。

「褒めてつかわす」というニュアンスがどうしても残ります。

「だから私は、『好き!』っていうことにしているの。子どもの絵を見て、『これいいね』じゃなくて『これ、好き!』って言う。『いい子ね』じゃなくて、『ママ、好きよ!』と言うの」

なるほど、「いいね」に比べると「好き」はもっと主観的。

上から目線よりも熱い気持ちが伝わります。

これはビジネスにも応用できそうです。

部下の上げてきた複数の企画案に対して、「こっちの方が、いいね、よくできている」と答えるのではなく、「こっちの方が、好きだなぁ。しっくりくる」みたいに答える。

ビジネスを「個人的な意見」で話すのはおすすめできませんが、時には「好き」のような愛情表現が入ってくると、組織が潤滑に回るように思えるのです。

「好き」という感情が見えることで、組織の体温が少し上がるのではないでしょうか。

詩人の谷川俊太郎さんは、好きな日本語を問われて「好き」と答え、「好き」は「愛」のもとと言っています。

ビジネス書も、「正しい」とか「データ上はこれがおすすめ」とか堅苦しい話に終始するのではなく、みんなの「好き」を集めたらこんな企画書にできあがった、というような愛にあふれたものを作る。

それがつまり「情熱の伝わる企画書」だと思うのです。

Sさんの話を聞いてから、私は会話の中に意識して「好き」を混ぜるようにしました。

Facebookで「いいね」を押す時も、「好き!」と思えるものを中心に選ぶようにしました。

たったこれだけのことですが、ちょっと恋でもしているような、素敵な気分になるものです。

世をあげてのAI時代。なんでもデータで判断される世の中です。

人間に最後に残された判断基準はきっと「好き!」という感情のモノサシにしたい。

今の時代だからこそ、大いにつかっていい。

冷たい評価の代わりに「好き!」と言いたい。

今日の言葉のちょい知恵をお試しあれ。
ひきたよしあきさん
ひきたよしあきさん


 広告会社「博報堂」のクリエイティブ・プロデューサーで、スピーチライター。朝日小学生新聞で毎週火曜日に「大勢の中のあなたへ2」を連載中。著書は「机の前に貼る一行」「大勢の中のあなたへ」(いずれも朝日学生新聞社)、「あなたは言葉でできている」(実業之日本社)など。

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