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解散総選挙「衆院だけ」にある理由 最も強い権限「政権選択」
総選挙が始まりました。そもそも、なぜ衆院に解散の規定があるのでしょうか? 解散には名前がつけられることが少なくありません。過去にあった「バカヤロー」「死んだふり」は、なんでそんな名前になったのでしょう? 解散の「重み」を超解説します。
国権の最高機関である国会。衆院と参院の二院に分かれていますが、憲法では、そのうち衆院だけに「解散」という規定があります。
憲法で参院に対する優越権を持つ衆院を、民意をより反映した議員構成にするための仕組みと言えます。
具体的には、衆院を解散する方針を決めた内閣の助言と承認により、天皇が国事行為として行います。
内閣不信任案が可決された場合に、内閣が対抗する解散のほか、首相の政権戦略に基づいて解散される場合もあります。
その時々の政治情勢を受け、解散にはいろいろな名前が付いています。「バカヤロー解散」、「死んだふり解散」、「沖縄解散」、「郵政解散」などといった風にです。
「バカヤロー解散」は、1953年。吉田茂首相(当時)が野党議員との質疑で「バカヤロー」と口走り、野党が提出した内閣不信任案が可決され、首相が衆院を解散したため「バカヤロー解散」と名付けられました。
「沖縄解散」は1969年。佐藤栄作首相(当時)の時で、沖縄返還が争点になりました。
「死んだふり解散」は、1986年。中曽根康弘首相(当時)が解散を否定し続けた末、臨時国会を召集し、いきなり解散しました。衆参ダブル選挙になり、準備が整わない野党は惨敗しました。
「郵政解散」は2005年。小泉純一郎首相(当時)が郵政民営化法案が参院で否決されたことを受けて、国民の意見を聞こうとして衆院を解散しました。
衆院が解散されると、40日以内に総選挙が行われます。首相を選ぶ最も強い権限を持つ衆院議員の顔ぶれが入れ替わるので、総選挙は「政権選択」の選挙だと位置づけられています。
総選挙から30日以内に特別国会が開かれ、首相指名選挙が行われます。こうして日本のリーダーが決まっていくのです。