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自販機を募金箱がわりに! 「ボタン押して寄付」、年7万円の施設も
自販機を「募金箱」として活用したアイデアが、ツイッター上で話題になっています。
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自販機を「募金箱」として活用したアイデアが、ツイッター上で話題になっています。
【ネットの話題、ファクトチェック】
お金を入れてボタンを押すと商品が出てくる自動販売機。そんな自販機を「募金箱」として活用したアイデアが、ツイッター上で話題になっています。商品見本の代わりに寄付を呼びかける貼り紙がしてあって、「100円募金」「50円募金」「10円募金」と書かれています。お金を投入してボタンを押すと、商品は出ませんが、その金額を寄付することができる仕組みです。実際に設置した施設や、普及に取り組んでいる団体を取材しました。
先月中旬、「気軽に募金できるすばらしいシステム」という文言とともにツイッター投稿された画像。自販機の商品見本が並んでいる場所に、以下のような貼り紙がしてあります。
「このボタンは募金ボタンです。明治村の価値ある建造物を保存修理するために使用します ※募金ボタンを押しても商品は出ません」
商品3つ分のスペースが使われていて、それぞれのボタンの上には「100円募金」「50円募金」「10円募金」とあります。どうやら、お金を投入してボタンを押すと、その金額が寄付される仕組みのようです。
この投稿に対して、「いいアイデア」「奈良にも似たような募金ありました」といったコメントが寄せられ、リツイートは3万、いいねは4万を超えています。
今回話題になった自販機が設置されているのは、明治時代の建造物を保存展示している「博物館明治村」(愛知県犬山市)です。
「2011年5月に1台目を設置して、現在は3台が稼働しています」と広報担当者。
入場者が低迷していた時期、なんとか建造物の保存・維持につなげようと、自販機の運営管理などを手がける名鉄協商の協力を得て設置したそうです。
名鉄協商の担当者によると昨年9月から今年8月にかけて、合計約7万円の寄付があったといいます。(昨年12月までは4台あったため、単純に3台の合計というわけではないそうです)
話題になったことについて、明治村の広報担当者は「ありがたい限りです。自販機以外にも建物保存のための寄付を募っていますので、ぜひそちらもご協力ください」と話します。
明治村以外にも、各地に寄付ボタンのついた自販機は存在します。
愛知県では、名古屋テレビ塔の経営を後押ししようと、地元に本社がある「ポッカサッポロフード&ビバレッジ」が、寄付ボタンつきの自販機をテレビ塔周辺に70台設置。
担当者は「微力ながらテレビ塔の存続に役立ちたいとという趣旨で始めました。当社が得意とする販売ツールを通じて、テレビ塔のことを広く皆さんにアピールするとともに、少しでも多くの寄付が集まればありがたいと思っています」
全国的な普及に取り組んでいる団体もあります。NPO法人「ハートフル福祉募金」(仙台市)です。
「ハートフルベンダー」と名付けられた自動販売機で、2006年4月に東北福祉大(仙台市)に1号機を設置。現在は全国の公共施設や商業施設などに約860台が設置されています。
「赤い羽根共同募金」で知られる中央共同募金会と、日本赤十字社の2団体と提携。集まった寄付金は社会福祉や地域福祉などに活用されているそうです。
「誰でも簡単にでき、地域の福祉にも役立つ募金をと考えた結果、自動販売機に募金機能を持たせることを考案しました」と高橋靖雄専務理事。
「ハートフルベンダーに続く新しいアイデアについても、実現に向けて調整中です。日本では根付きにくいと言われてきた寄付文化が、この自販機をきっかけに根付くことを期待しています」
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