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『かにぱん』がケータイに? 気づけば知育パン化 そもそもカニは…
カニの形をした「かにぱん」。発売から40年以上経つロングセラー商品が先日、ツイッターで話題になりました。
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カニの形をした「かにぱん」。発売から40年以上経つロングセラー商品が先日、ツイッターで話題になりました。
【ネットの話題、ファクトチェック】
カニの形をした「かにぱん」。発売から40年以上経つロングセラー商品が先日、ツイッターで話題になりました。裏面に書かれた食べ方を紹介したもので、脚をちぎっていくと、トンボになり、セミになり、最後は携帯電話になるというものです。「手軽で長持ち」というこれまでの売りに加えて、「知育パン」としても売り出している製造元に、話を聞きました。
先月上旬、かにぱんのパッケージ裏面を写した画像がツイッター投稿されました。
そこには「かにぱんを楽しみながら食べよう!」という文字とともに、脚をちぎるにつれてカニ→トンボ→セミ→携帯電話と変身していく様子がイラストで描かれています。
この投稿に対して、「ケータイデンワパンで吹きました」「セミの時点で結構きつい気が」といったコメントが寄せられ、リツイートは2万6千、いいねが3万1千を超えています。
かにぱんをつくっているのは「源氏パイ」や「チョコバット」で知られる三立製菓(静岡県浜松市)です。
発売開始は1974年。関西を中心にヒットしていた『サンリツパン』という日持ちのするカットパンに続いて、ウサギ、コアラ、ボーリングのピンなど、子どもたちに人気の動物や当時のブームを採り入れたパンを発売する中で生まれました。
カニの形に沿って切れ目が入っていますが、これはちぎって食べやすくするだけでなく、オーブンで焼く時に火を抜けやすくし、均一に焼けるようにするための工夫でもあります。
賞味期間が45日と長く、家庭用のストックとしても重宝されています。ちなみに、原材料にカニはいっさい入っていないそうです。
そんなかにぱんに「ちぎってかにぱん」という特設サイトがあります。
「ちいさないきもの」「どうぶつ」「きかい」といったカテゴリーがあり、かにぱんを使ってザリガニやキリン、ビデオカメラなどの形を作ることができると紹介しています。
これらは商品パッケージ裏面にも記載されているもので、「知育パン」として訴求していることがわかります。
かにぱんの変化について、企画課の望月沙枝子さんに話を聞きました。
――時代とともにかにぱんの形は変化しているのでしょうか
「発売当初から形は変わっていません。パンの型が複雑すぎると、型抜きする時に抜けなくなってしまいます。しかしこの型は、焼きあがりはふっくら良い形になり、無駄になる部分も少なく、本当に素晴らしいものです。技術が発達した現代ですら、試作段階で失敗することが多い中で、これだけの完成度を誇る型ができたことは、先人の技術のたまものです」
――「ちぎってかにぱん」は、いつごろから商品パッケージに掲載されているのでしょうか
「2000年ごろからパッケージに入れました。その後、ちぎり方を紹介する『かにぱんのうた』も作成し、YouTubeにアップしています。最近では『かにぱん教室』と題し、幼稚園や保育園などにお伺いし、わたくし『かにぱんお姉さん』と、ちぎり方などを一緒に楽しむ教室もご要望に応じて実施しています」
――こうした食べ方の提案を始めた理由と、きっかけは
「ちぎり方を意図してこのような形にしたわけではなく、一部のお客様の間で『こんな楽しみ方ができる!』と話題となり、地方局のテレビで取り上げられたのがきっかけでした」
――ちぎり方は誰が考えているのでしょうか
「今までの担当者が考えたものや、お客様から教えていただいたものなど様々です。ちなみに、私が考えたのは『かえるぱん』と『ネッシーぱん』です。ただ、ネッシーぱんは子どもには伝わらないのと、世代がばれる気がして封印しようかと思っています」
――他にも楽しみ方はありますか
「ほんのり甘い味なので、そのまま召しあがって頂いてもおいしいですが、アレンジするともっとおいしくなります。横半分でスライスして、マヨネーズ、レタス、ハム、きゅうりをサンドした『かにぱんサンドイッチ』や、ミニかにぱんをサッと油で揚げてグラニュー糖をまぶした『揚げかにぱん』、プルプルのプリンのような食感の『かにぱんフレンチトースト』など、ホームページでレシピを紹介していますので、ぜひご覧ください」
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