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コラム

「『実は』を枕詞に、プチ告白を」 あなたに贈る〝1分間スピーチ〟

今回のテーマは「『実は』を枕詞に、プチ告白を」です。

今回の「1分間スピーチ」のテーマ
今回の「1分間スピーチ」のテーマ

 広告会社「博報堂」のクリエイティブ・プロデューサーで、スピーチライターでもある、ひきたよしあきさんによる「1分間スピーチ」。今回のテーマは「『実は』を枕詞に、プチ告白を」です。

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本日の〝1分間スピーチ〟

では、スピーチをはじめます。

今日は、聞き手の耳をそばだたせるためのテクニックです。

諸説ありますが、経験値からすると人の話を飽きずに聞ける時間は15分くらいではないでしょうか。

私が教えている大学の講義時間は90分。

15分で割ると、導入部とエンディングの他に4つの山を作るくらいに構成するとちょうどよいあんばいになります。

しかし、よく見ると15分も実は、きつい。

学生の手や目の動きを見ていると、じっと傾聴できるのは2分が限度です。

その2分に有効なスパイスをふりかけることで全体の集中力も変わってきます。

内容もさることながら、名講義はこうしたテクニックで作るものです。

眠気を覚まし、人の気持ちをぐっと前のめりにする話。

それは「告白」です。

他では聞けない秘密。本音。ぶっちゃけ話が始まる。

「告白」となると嗅覚が鋭くなるのは大学生に限った話ではありません。

2分の集中時間を有効に使うために、私がよく使う枕言葉が、「実は」です。

「実は、この話には裏があります」
「実は、今までこのことを話せずにいました」
「実は、反対者がとても多い意見です」

「実は」を枕詞にして、プチ告白を入れる。

すると人の頭の上に「なんで?」と言う疑問符が点灯する。

ここからの2分は、多少本題からズレてもかまいません。

むしろ私見をまじえて、語り手のパーソナリティが出る話をしてください。

聞き手は、疑問符解消のために身を乗り出してくるはずです。

枕詞に「実は」を置かずに話しても、うとうとした頭は、ここから告白が始まることに気づいてくれません。

少し間を置き、少し低い口調で「実は……」と切り出してみる。

告白に「実は」の枕詞を置いてから静かにゆっくり語り始める。

長いスピーチにはこうしたスパイスが必要なのです。

「実は」を枕詞に2分の告白を話に入れる。

今日の言葉のちょい知恵をお試しあれ。
ひきたよしあきさん
ひきたよしあきさん


 広告会社「博報堂」のクリエイティブ・プロデューサーで、スピーチライター。朝日小学生新聞で毎週火曜日に「大勢の中のあなたへ2」を連載中。著書は「机の前に貼る一行」「大勢の中のあなたへ」(いずれも朝日学生新聞社)、「あなたは言葉でできている」(実業之日本社)など。

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