MENU CLOSE

話題

話題の商店街ポスター「名コピー」誕生秘話 常連も登場、2人は他界

大阪の商店街にある美容用品店のポスターが、ネット上で話題になっています。

こちらが話題のポスター
こちらが話題のポスター 出典: 大阪商工会議所提供

目次

【ネットの話題、ファクトチェック】

 「男のために化粧しているうちは、お子ちゃま」。大阪の商店街にある美容用品店のポスターが、ネット上で話題になっています。印象的なキャッチコピーとともに写っている女性たちは、店の常連客と店主。コピーライターが常連客に取材する中で聞き出したフレーズをもとにコピーを決めたそうです。ポスターの仕掛け人に話を聞きました。

【PR】「あの時、学校でR-1飲んでたね」
「男のために化粧しているうちは、お子ちゃま」
「男のために化粧しているうちは、お子ちゃま」 出典: 大阪商工会議所提供

こんなポスターです


 今月23日、ツイッターに投稿された4枚のポスター。それぞれシニア世代の女性が1人ずつ写っていて、印象的なコピーが添えられています。

「男のために化粧しているうちは、お子ちゃま」
「もうメイクの流行、三周してもたわ」
「年いったら、美人かどうかは美肌かどうかやで」
「来月どの色買おか、と思てる間に長生きしてたの」

 この投稿に対して、「こういう広告を求めてるの!」「どれもめっちゃ好き」「こういうおばあちゃまになりたい」といったコメントが寄せられ、リツイートは4万5千、いいねは10万を超えています。

「もうメイクの流行、三周してもたわ」
「もうメイクの流行、三周してもたわ」 出典: 大阪商工会議所提供

商店街で作りました


 ポスターの店は、文の里商店街(大阪市阿倍野区)にある「ビューティーショップ ドリアン」です。

 このポスターが作られたのは2013年。大阪商工会議所と文の里商店街協同組合が、電通関西支社の協力を得て51店舗を対象に200枚超のポスターを製作したうちの一部です。

 電通の若手60人ほどが参加し、コピーライターとデザイナーが2人一組のペアになってチームをつくって各店を担当しました。

 商店街ポスターは定期的に何度も話題になり、テレビや新聞など30を超えるメディアに掲載されました。大阪商工会議所では「広告費換算で3億円超のPR効果があった」と分析しています。

「来月どの色買おか、と思てる間に長生きしてたの」
「来月どの色買おか、と思てる間に長生きしてたの」 出典: 大阪商工会議所提供

お店に聞きました


 「どんなポスターになるのかドキドキしましたが、出来上がりを見て『いいものできたな~』とビックリしました」。ドリアンの森田順子さんは、そう振り返ります。

 担当したのはアートディレクターの男性とコピーライターの女性で、常連客に話を聞きながら、そこで聞いた言葉をもとにキャッチコピーを考案。ポスターに登場する女性は、常連客3人とドリアンの店主に決まりました。

 「4人の言葉に重みがありますよね。上っ面じゃないというか。お二人はすでに亡くなっていますが、残るお二人は今もお元気です」と森田さん。

 「店には今も4枚とも飾ってあって、『あれ、いいね』と声をかけてもらえると、嬉しくなります。なくてはならないものですし、ポスターに負けないよう店を頑張ろう、って気になります」

「年いったら、美人かどうかは美肌かどうかやで」
「年いったら、美人かどうかは美肌かどうかやで」 出典: 大阪商工会議所提供

仕掛け人に聞きました


 商店街ポスターを発案したのは、電通関西支社のコピーライター・日下慶太さん(40)です。

 「ドリアンさんのポスターは何度かダメ出ししたのを覚えてます。でも、自由にものを作ったら、こんなに面白い物ができた。若手が伸びるための財産になったと思ってます」

 何度も繰り返し話題になる理由について、日下さんはこう分析しています。

 「タレントを起用した広告だと、掲載期間が限定されていることが多いのですが、今回は店主やお客さんたちだし、今でもポスターは現地に貼られてます。あと、200枚以上とポスターが多いことも関係しているかもしれません。お金はかかってないけど、自分たちが面白いと思うものを世に出した結果、『このままやったらええやん』と背中を押してもらえて、僕たちもうれしいです」

関連記事

PR記事

新着記事

CLOSE

Q 取材リクエストする

取材にご協力頂ける場合はメールアドレスをご記入ください
編集部からご連絡させていただくことがございます