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花火シーズン「DJポリス」の名言に学ぶ護身術 「健康あっての花火」

周りを見ながら歩行者を誘導したDJポリス=津市阿漕浦海岸付近、2014年7月26日
周りを見ながら歩行者を誘導したDJポリス=津市阿漕浦海岸付近、2014年7月26日 出典: 朝日新聞

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 7月22日は、東京の花火大会のトップバッターとして知られる「足立の花火大会」が開かれます。混雑時、注目されるのが「DJポリス」です。花火シーズンの到来、思わぬ事故から身を守るDJポリスの「名言」を紹介します。

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「第一回足立の花火大会」。千住大橋は帰省の車の列
「第一回足立の花火大会」。千住大橋は帰省の車の列 出典: 朝日新聞

「こんな良き日に怒りたくない」

 「日本代表のユニホームを着ている皆さんは12番目の選手です。日本代表はルールとマナーを守ることで知られています。お巡りさんもこんな良き日に怒りたくはありません。チームワークをお願いします」

 この呼びかけに覚えはないでしょうか。2013年のW杯アジア最終予選の際に話題を呼んだ、東京・渋谷のスクランブル交差点での「DJポリス」による誘導です。

 名前は明らかにされていない、この「DJポリス」。仙台商業高校(宮城県)・剣道部出身で、指導した監督は「普段は寡黙。人前に立つタイプではなかった」と振り返る学生時代だったそうです。

 流行語にもなった「DJポリス」としての功績が認められ、警視総監賞を授与されました。

巡査は2005年に仙台商に入学し、剣道部に所属した。2年生の夏、勉強を理由に同い年の仲間は次々と退部。だが、主将として、残った1年生と2人で黙々と稽古を続け、秋には県で16強に入ったという。「あのとき彼が踏ん張ってくれたおかげで、今の剣道部がある」。そう監督は振り返る。寡黙な主将は、今のように「拡声機」は使わず、稽古に打ち込む後ろ姿で後輩を導いた。警視庁に入ってからも、休暇の際には母校で後輩たちを指導。剣道部は、今では20人規模に成長した。巡査は高2で3段に昇格し、現在は4段の腕前。「いつか剣道の全日本選手権に出場し、観客をわかせてほしい」。監督は母校からエールを送っている。
2013年6月15日:語り口評価、DJポリスは… 剣道部の危機救った寡黙な主将 大和出身:朝日新聞紙面から

「健康あっての花火」「花火に負けないくらいの笑顔」

 「DJポリス」はその後、全国の警察学校から招かれ、警備のコツを教えながらまわっています。

 中でも、夏の風物詩である花火大会に向けた広報訓練が多いようです。

 2014年5月、約35万人の人出が見込まれるびわ湖大花火大会(滋賀県)に向けた練習では、「楽しい花火大会は皆さんの健康あってこそです」と呼びかけました。

 また、約27万人が訪れるみなとこうべ海上花火大会(兵庫県)に向けた練習では「花火に負けないくらいすてきな笑顔のみなさまにお願いをします」とDJポリス節を披露しました。

雑踏警備のコツを教える「DJポリス」の警視庁第9機動隊員(中央)=県警察学校
雑踏警備のコツを教える「DJポリス」の警視庁第9機動隊員(中央)=県警察学校 出典: 朝日新聞
広報車に乗って研修会で指導するDJポリス(左)=27日、神戸市須磨区の県警機動隊グラウンド
広報車に乗って研修会で指導するDJポリス(左)=27日、神戸市須磨区の県警機動隊グラウンド 出典: 朝日新聞
「語尾が下がると印象が悪い」「目が合ったら笑いかけるように」などとアドバイス。県警の機動隊員らは、声に抑揚をつけたり、ややゆっくりめに話したりする練習をした。県警警備2課の国松政昭次席は「手で方向を示したり、語りかけるように話したり、見て聞いてもらう警備の基本を教えてもらえた」と話した。
2014年5月21日:DJポリス、話術を伝授 花火大会に向け、警官80人学ぶ:朝日新聞紙面から
DJポリスは「怒鳴らず、恋人と電話をするような良い声を出す」「地面と平行に、口には垂直にマイクを持つときれいに声が入る」などと指導。県警有馬署地域課の瀧川亮(あきら)警部補(44)は研修後、「教えてもらったことを生かし、より安全な警備に励みたい」と語った。
2014年5月28日:「DJポリス」話術伝授 県警研修会講師に:朝日新聞紙面から

「押しておいしくなるのは、千枚漬けだけ」

 「DJポリス」の後輩も生まれています。

 京都府警では、2014年、八坂神社「をけら詣り」で「DJポリス」がデビューしました。

 当時、警備1課の吉満(よしみつ)玲子巡査部長は、「ぎゅっと押しておいしくなるのは、千枚漬けやお漬物だけです。人は押してはいけません」など京都らしいトークを披露。

 「京都には世界の方々が多く訪れます。京都のマナーの良さをみていただきましょう」「急がなくても花火大会は逃げません。ゆっくりとお進み下さい」など、巧みなセリフを駆使していました。

「DJポリス」として出動する女性巡査部長(右)=伏見区の京都競馬場駐車場
「DJポリス」として出動する女性巡査部長(右)=伏見区の京都競馬場駐車場 出典: 朝日新聞
府警の「DJポリス」が、八坂神社(東山区)で31日にある年越しの恒例行事「をけら詣(まい)り」の雑踏警備に初めて出動する。巧みな話術で群衆を誘導する「DJ」は、8月の宇治川花火大会で初出動の予定だったが、台風11号の影響で大会が中止になっていた。24日は上京区の府警本部で想定訓練を実施。当日警備にあたる警備1課の吉満(よしみつ)玲子巡査部長(32)は「ぎゅっと押しておいしくなるのは、千枚漬けやお漬物だけです。人は押してはいけません」などと、呼びかけの文句を披露した。
2014年12月25日:「押していいのは漬物だけ」 DJポリス、をけら詣りに出動:朝日新聞紙面から

事前の計画が肝心

 花火大会で、思わぬ事故から身を守るにはどうすればいいのでしょう?

 大事なのは「事前の予習と計画」です。

 全国の花火メーカーなどでつくる日本煙火協会の専務理事、河野晴行さんは朝日新聞の取材に「多くの人出がある大会当日は、交通規制だけでなく、人の流れを一方向にするために歩行者も自由に行き来できなくなることが多い」と説明しています。

 どのルートで会場にたどり着くか、どこで見るか、帰りはどうするか、細かく決めておけば当日混乱しなくて済みます。

 混雑を避けて最寄り駅以外の駅を使うのもありです。

「花火大会を楽しむには、事前の予習と計画が欠かせません」。全国の花火メーカーなどでつくる日本煙火協会の専務理事、河野晴行さんはこう強調する。予習?多くの人出がある大会当日は、交通規制だけでなく、人の流れを一方向にするために歩行者も自由に行き来できなくなることが多い。どのルートで会場にたどり着くか、どこで見るか、帰りはどうするか、細かく決めておけば当日混乱しなくて済むんだね。混雑を避けて最寄り駅以外の駅を使うのも一案。一駅分歩いた方が早い場合もあるからだ。だが、規制がない場所だとかえって人が入り交じってなかなか進めなかったり、混乱がおきたりする可能性も。河野さんは「最近の大会は警備態勢もしっかりしている。人波に交じってゆっくり歩いた方が安全な場合もある」と話す。いずれにしても、到着までの時間は、ふだんの3倍の時間をみておく。
2010年7月18日:(暮らし達人モンジロー)予習が肝心、花火大会:朝日新聞紙面から

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