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盛りまくり自己PR・ES手書き主義… 「ここがヘンだよ日本の就活」
日本企業への就職を目指す外国人留学生たちに、日本の就活でヘンだと思うところを聞いてみました。すると、日本人も共感できるところが・・・。

ASEANのYOUたち
就活セミナーを受講した、まさに就職活動中のベトナム出身の学生3人と、就職活動を終えたタイ・ベトナム出身の2人の学生・社会人から、日本の就活で「ヘンだな」と思うところを教えてもらいました。

自己アピールが盛りすぎでヘン
それでも他の日本人は得意げに答えていて「本当にそうなのかな」と疑問に思ったそうです。
留学生がそう思ったのは、日本の学校の先生の言葉でした。
素直な気持ちでエントリーシートに記入し、学校のキャリア相談の先生に確認してもらったところ、「あなたはそう思ったかもしれないけど、面接ではマイナスかもしれない」と、もっと内容を変えて強くアピールするようにアドバイスされたといいます。
「ウソをつくことが前提みたい」と困惑していました。

どんな会社でも同じ質問でヘン
「母国では就職したときの部門や仕事内容がわかっている状態で申し込む。だから面接も仕事内容に即した内容が多い」といいます。
「どんな業種の企業でも、自己PR、学生時代頑張ったこと…全く同じ質問ばかり聞かれる」と不思議に感じたそうです。

短所まで聞かれるのがヘン
これに対しては、「仕事には関係ないのに、どうしてそんなことまで毎回聞かれるのかわからない」と話します。
更には「本当に自分が短所だと思っているところを素直には話したら落ちそう」と正直な気持ちも明かしました。

エントリーシートが手書きでヘン
またエントリーシートは電子データではなく、手書きを求められることも驚いたそうです。
学校のキャリアサポートの先生から「手書きの方が印象がいい」と言われて挑戦したが、日本語で書くには一苦労。
少しでも間違えると全部書き直しで、「とても疲れるので電子データにしてほしい」といいます。

卒業前から仕事を探すところがヘン
これに対してタイやベトナムでは卒業後、自分のタイミングで仕事を探して就職するといいます。
旅行に行くなどして、卒業後半年くらいの間で就職する人が多いそうです。
めちゃめちゃ受けて、めちゃめちゃ落ちるのがヘン
留学生は一般的なエントリー数を知って日本の就活の厳しさを感じたそう。
「不採用だったら落ち込むけど、落ち込んでもいられないなって思った」といいます。

スーツや髪形がみんな同じでヘン
一方でタイやベトナムでは特に服装は決まっていないそう。
最初見たとき、「みんな同じ格好でロボットみたい」と思ったそうです。
スーツ売り場で店員に黒スーツを勧められた人は、「ヒールの高さも決まっていてルールが厳しい。値段も結構高い」と唖然としたといいます。
驚いたのは「スカートが長い」という意見。ある女性は「母国のスーツのスカートはもっと短い。座ると下着が見えそうだから日本のスーツは楽」と話します。

日本の就活システム、取り入れた方がいいところも
日本は大学のサポートやセミナーも充実しており「就活を通して社会人としてのマナーを覚えられるところがいい」と話します。
ベトナムの学生が企業に履歴書を送るときは、最初どうしたらいいかわからないそう。とりあえずメールに書類を添付して、件名も本文もなく送ってしまうことも。

「母国ではあらかじめ決められた業種・職種で募集があり、それができるスキルを持った人が応募して合格する。そして実際にその仕事をする。日本は研修も職場のローテーションもあって、働いてから得意/不得意がわかるので、自分の新しい能力が発見できていい」と肯定的です。
他に「自分の成長につながった」と話す人もいます。
「面接では時事問題なども聞かれる。今まで興味のなかった社会的な問題や国際情勢も知っておかないといけないと感じて勉強したので、知識が増えた」といいます。
増える外国人就活生
日本学生支援機構の調査によると、留学生の数は2012年度の16万人から増え続け、2016年度には23万人まで増加しました。

