「これ以上働いたら本当に壊れちゃうよ」。ツイッターに投稿した漫画「男ってやつは」が〝30秒で泣ける〟と話題になった漫画家・吉谷光平さんが、過労死について描きました。


2年後の2016年6月、長時間労働による過労などが原因で死亡したとして、労働基準監督署が労災と認定しました。

根拠は、店が保存していた「退店チェックリスト」にありました。最後に店を出る従業員がエアコンや照明の消し忘れを防ぐために記入する用紙です。
警備機器の記録とシステムの入力時間は大きく食い違っていました。
たとえば、亡くなる前月の5月4日。システム上の退勤時刻は「21時18分」でしたが、チェックリストに男性の名前があり、警備機器が作動したのは「26時1分」。
こうしたズレを合計すると、5月の残業はシステムの記録より約20時間も長くなりました。始業前に働く「早出」をしていた形跡もあったそうです。

いずれも政府が導入を目指す残業時間の上限規制の範囲内で、「過労死ライン」も下回っていますが、ほかにも具体的に時間数を特定できない早出・残業があったと推定し、労災を認めました。

【よしたに・こうへい】 漫画家。サラリーマン生活や漫画家アシスタントなどを経て、月刊スピリッツの「サカナマン」でデビュー。漫画アクションで「あきたこまちにひとめぼれ」を連載中、月刊ヤングマガジンの連載「ナナメにナナミちゃん」の単行本1巻が発売中。ツイッターで公開した2ページ5コマの漫画「男ってやつは」が〝30秒で泣ける〟と話題に。