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あっ!蚊が入っちゃうよ 網戸の正しい閉め方、YKK APに聞きました
網戸の「正しい使い方」がネット上で話題になっています。
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網戸の「正しい使い方」がネット上で話題になっています。
【ネットの話題、ファクトチェック】
家の換気をしつつ、蚊などの侵入を防ぐために設置されている網戸。この「正しい使い方」がネット上で話題になっています。しっかり閉めたつもりでも、意外な所に侵入口が出来てしまうおそれがあるというのです。窓や網戸などを手がけるYKK APを取材しました。
5月下旬に投稿された、「これからの季節、知らない人には教えてあげて」という文言のツイート。網戸を撮影した画像1枚と、網戸と窓の位置をパターン分けした3枚のイラストが添付されています。
イラスト(1)は窓全開。2枚の窓ガラスが同じ位置にそろっていて、その反対側は網戸が閉じられています。左上に「○」がついており、この閉め方だと虫の侵入は防げるようです。
イラスト(2)と(3)は、窓半開パターン。いずれも室内側から見ると、窓ガラス1枚は閉まっていて、反対側も網戸が閉まっているように見えますが、(2)は「○」、(3)は「×」となっています。
この投稿に対して、「網戸にしてるのに虫が入ってくる理由が今わかりました」「速攻で変えました」といったコメントが寄せられ、リツイートは1万9千を超えています。
このイラストと同じものがYKK APのホームページに掲載されています。(2)と(3)の違いは何なのか? 広報担当者に聞くとこんな答えが返ってきました。
「網戸のフレームと窓ガラスのフレーム部分が重なっているかどうかの違いです。重なっていれば侵入を防げますが、そうでない場合は入ってきてしまう可能性があります」
YKK APが現在販売している網戸のフレーム部分には「モヘア」と呼ばれる毛のようなものが付いています。この部分が窓のフレームと接することで隙間を塞ぎ、侵入を防ぐ役割を果たしているのです。
それなら「いっそのこと隙間のないように作ればいいのでは?」と考えてしまいますが、それでは窓が開けづらくなったり、使ううちに開け閉めできなくなったりする可能性があるそうです。
「網目からの侵入を防ぐため、通常の網戸より線径の細い網を使い、交点を溶着した商品『クリアネット網戸』も販売していますが、横の隙間からの侵入を防ぐのにはモヘアを使った構造に頼るしかないんです」
そして、こう付け加えます。
「今お話ししたのは、網戸を閉めた状態での対策になります。出入りのため開けたときに虫が入ったり、洗濯物を取り込む際に一緒にくっついていたりといったケースもあります。ちょっとした対策で防げることもあるので、こまめに網戸の状態も点検しながら使ってください」
YKK APの“AP”は「Architectural Products(アーキテクチュラルプロダクツ)」の頭文字で、日本語にすると「建築用工業製品」という意味です。YKKグループの中で、窓やサッシなど住宅やビル向けの商材を扱う会社ということを示しています。
ちなみにYKKは「Yoshida Kogyo Kabushikigaisha(吉田工業株式会社)」の頭文字。創業者は吉田忠雄さんで、自社のファスナーの商標名として使っていましたが、1994年に正式に社名となったそうです。
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