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トランプ大統領、かみつきまくった100日 ツイッターで振り返る
最近のつぶやきを振り返ります。
アメリカのトランプ氏が1月20日(現地時間)に大統領に就任してから、間もなく100日が経ちます。トランプ大統領と言えば、毎日のようにつぶやいているツイッター。フォロワー数は2800万を超え、「北朝鮮はひどく悪態をついている」「裁判官の決定はばかばかしい」など、主張が異なる相手に指先からの「口撃」を繰り返しています。就任からこれまでを、ツイッターから振り返りました。(ツイートにある日時は日本時間)
We will follow two simple rules: BUY AMERICAN & HIRE AMERICAN!#InaugurationDay #MAGA🇺🇸
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2017年1月20日
「不動産王」と呼ばれ、公職経験のない初のアメリカ大統領が誕生しました。就任演説では、国益を最優先する「米国第一主義」を掲げ、雇用創出や不法移民対策などを強調。就任式後には"BUY AMERICAN & HIRE AMERICAN!"とつぶやきました。
The opinion of this so-called judge, which essentially takes law-enforcement away from our country, is ridiculous and will be overturned!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2017年2月4日
Just cannot believe a judge would put our country in such peril. If something happens blame him and court system. People pouring in. Bad!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2017年2月5日
トランプ氏が打ち出した難民や中東・アフリカの7カ国の国民の入国を一時禁止する大統領令に対し、2月3日、アメリカ・ワシントン州の連邦地裁が、一時的に差し止める決定を出しました。当時、トランプ氏はツイッターでその決定を激しく非難しました。
ツイート内にある"so-called"は「いわゆる」や「本当はそうでないのに」といった意味があり、侮蔑的な意味合いが強い言葉。決定を出した裁判官の正当性に疑問を投げかけています。
2月9日、アメリカの控訴裁判所は大統領令の効力停止を維持する決定を出し、トランプ政権側の不服を退けました。政権側はその後の3月6日に、新たな大統領令に署名。一時入国禁止の対象国を中東・アフリカの7カ国から、イラクを除外して6カ国にし、永住権や入国査証(ビザ)を持つ人は入国できる、などの変更点がありました。
ところが3月15日、今度はハワイ州の連邦地裁が、全米で執行を停止する決定を出しました。トランプ氏は不服として争う考えを表明していますが、ツイッター上では言及しませんでした。
Heading to Joint Base Andrews on #MarineOne with Prime Minister Shinzō earlier today. pic.twitter.com/4JFhyYdeHO
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2017年2月10日
アメリカ・ワシントンのホワイトハウスで2月10日、安倍晋三首相とトランプ氏が初の首脳会談を行いました。両首脳はその後、フロリダ州のパームビーチへ移動し、トランプ氏の別荘でゴルフなどを楽しみました。
なお、滞在している最中には北朝鮮が弾道ミサイルを発射。緊急で共同記者発表をするに至りました。
The fake news media is going crazy with their conspiracy theories and blind hatred. @MSNBC & @CNN are unwatchable. @foxandfriends is great!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2017年2月15日
Don't believe the main stream (fake news) media.The White House is running VERY WELL. I inherited a MESS and am in the process of fixing it.
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2017年2月18日
トランプツイッターの特徴の一つが、絶えず行われるメディア批判です。自らに批判的なメディアを「偽ニュース」と決めつけ、「否定的な世論調査は偽ニュースだ」とも発信し、都合の悪い報道を「虚偽」と決めつけています。
特にその批判の的となっているのが、ニューヨーク・タイムズやCNN。ニューヨーク・タイムズに至っては、多くのツイートで「failing=欠陥の」という枕詞をわざわざつけるなど、常に怒りが収まらない様子です。一方で、自身に好意的な報道姿勢の保守系FOXニュースなどは賛美。選り好みする姿勢が目立っています。
ObamaCare will explode and we will all get together and piece together a great healthcare plan for THE PEOPLE. Do not worry!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2017年3月25日
トランプ氏が大統領選の時から目玉としていた公約の一つが、オバマケアと呼ばれる「医療保険制度改革」の撤廃です。与党・共和党は、保険加入を義務付けるオバマケアの規定をなくし、大企業に従業員への保険提供を求める条項も撤廃する新たな代替案の成立を目指しました。
トランプ氏はツイッターでも法案の成立に強気な姿勢を崩していませんでした。ところが3月24日、共和党の党内調整に失敗して代替案成立の見通しが立たず、採決を断念。そして、負け惜しみにも見える文言をツイッターに記しました。
目玉公約の達成に失敗したトランプ氏。就任以来、最も大きな痛手となった出来事の一つだったと言ってもよいでしょう。
Congratulations to our great military men and women for representing the United States, and the world, so well in the Syria attack.
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2017年4月8日
North Korea is behaving very badly. They have been "playing" the United States for years. China has done little to help!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2017年3月17日
国内向けにも対外的にも、「強いアメリカ」を主張し続けているトランプ政権。ツイッター上でも強硬な発言が目立ちます。
トランプ政権は4月6日、内戦が続くシリアでアサド政権が化学兵器を使用したと断定し、アサド政権軍の空軍基地に対してミサイル攻撃をしました。アメリカ軍がアサド政権軍を狙って攻撃したのは初めてです。
また、緊迫が続く北朝鮮情勢では、アメリカの原子力空母カールビンソンを朝鮮半島周辺に派遣。そんな北朝鮮情勢について、トランプ氏は重ね重ね、ツイッター上で中国の協力を要求しています。
ツイッターでの「口撃」は政策面だけにとどまりません。アーノルド・シュワルツェネッガーさんとの「バトル」や長女イバンカさんの擁護も注目を集めました。
The National Prayer Breakfast? pic.twitter.com/KYUqEZbJIE
— Arnold (@Schwarzenegger) 2017年2月2日
Yes, Arnold Schwarzenegger did a really bad job as Governor of California and even worse on the Apprentice...but at least he tried hard!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2017年2月3日
犬猿の仲であることが有名な、俳優で前カリフォルニア州知事のアーノルド・シュワルツェネッガーさんと、トランプ氏。ツイッターでのバトルが、2月2日、発生しました。
きっかけは、トランプ氏の講演。自身がかつて司会者を務めていたリアリティー番組「セレブリティ・アプレンティス」をシュワルツェネッガーさんが引き継いだことに触れ、「とたんに評判が落ちて、ひどいことになった。評判が良くなるように、アーノルドのために祈りたい」と笑いながら述べました。これまでもトランプ氏はシュワルツェネッガーさんの「低視聴率」を揶揄(やゆ)してきたことがあります。
それに対し、シュワルツェネッガーさんがツイッターに動画を投稿。10万近くリツイートされ、幅広く共有されました。そうすると、黙っていられないのがトランプ氏。個人「口撃」をするに至りました。
My daughter Ivanka has been treated so unfairly by @Nordstrom. She is a great person -- always pushing me to do the right thing! Terrible!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2017年2月8日
アメリカの有名百貨店「ノードストローム」が、トランプ氏の長女イバンカ氏が自身の名前を冠して手がけているファッションブランド「イバンカ・トランプ」の販売中止を決めました。
この件に関して2月8日、トランプ氏がツイッターで嚙み付きました。
このツイートの後、ホワイトハウスの記者会見では、大統領が家族の事業に関与することについての質問が相次ぐなど疑問視されました。ホワイトハウスの報道官は「大統領には父親として家族を支える権利がある」とトランプ氏を擁護しました。
ちなみにトランプ氏に「口撃」されたノードストロームですが、CNNによるとその株価は7%以上上昇しているそうです。
余談ですが、お隣のメキシコからはフォックス前大統領のこんなツイートが。暴走し続けるトランプ氏をこう諭しています。
Donald, you're a president. Behave like one. These rants are child play. Quit twitter, start being presidential. https://t.co/Jv1w6ceQiM
— Vicente Fox Quesada (@VicenteFoxQue) 2017年2月4日
今のところ、ツイッターでの「かみつき」をやめる様子はないトランプ氏。フォックス氏の思いが通じる日は来るのか――。今後も目が離せません。
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