話題
「泣くのが仕事、大丈夫」スマホで意思表示 子育て応援、生保が企画
周りの目を気にして肩身の狭い思いをしているママやパパに「大丈夫だよとメッセージを送ろう」というプロジェクトを、生命保険会社が始めました。
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周りの目を気にして肩身の狭い思いをしているママやパパに「大丈夫だよとメッセージを送ろう」というプロジェクトを、生命保険会社が始めました。
人前でも構わずグズる子ども。周りの目を気にして肩身の狭い思いをしているママやパパに「大丈夫だよとメッセージを送ろう」というプロジェクトを、生命保険会社が始めました。スマホに「だいじょうぶ! こどもは、泣くのが仕事です」と書かれたマークをダウンロードして見せる仕組みで、マークが動くことで子どもをあやすのにも使えるなど、企画した子育て世代のメンバーの発想が生かされています。広報担当者に話を聞きました。
この「#泣くのが仕事プロジェクト」を企画したのはオリックス生命です。
参加の仕方は簡単です。まずはマークのデータを特設ページからダウンロード。モーションステッカーやバッジなど好きな形が選べます。
電車の中などで、子どもが泣いて肩身の狭い思いをしているママやパパを見かけたら、マークを掲げて「大丈夫だよ」とメッセージを伝えるだけです。
声に出して伝えたいけど、話しかけづらい。そんな時に、そっとこのマークを見せることで応援しているという意思を伝えることができます。
ダウンロード用のデータは、ステッカーやバッジなどに加工できる形式のものや、壁紙・ブログ用のバナーなどもあり、改変や商用利用でなければ自由に使えます。
また、ママやパパ、泣いている子どもの側から『泣いちゃってごめんね』という気持ちを伝えるマークも準備しました
3月下旬、YouTubeにプロモーション動画がアップされると、「すごくいいアイデア」「もし言ってもらえたら、自分も泣いてしまうかも」「日本中に広がってほしいな」といったコメントが寄せられました。
一方、子どもの泣き声から始まる動画について「こういう広告をいきなり画面に出すのは良くないと思う」といった声や、「子どもだから何しても許されるとか勘違いする親が増える」といった声も上がりました。
どんな思いでこのプロジェクトを始めたのか? オリックス生命の広報担当者に話を聞きました。
――発足のきっかけは
「『未来を守るお手伝いをする』というのが保険会社本来の社会的役割です。『子育て』という未来を育む仕事に一生懸命なママパパたちを応援する働きかけができないかと考えました」
「例えば、周りの目を気にして肩身の狭い思いをしているときに、『だいじょうぶ!』という一言でコミュニケーションが生まれ、周りも含めて温かい気持ちになる。そんな優しい社会になるためのきっかけになればと考えました」
――メンバーは子育て中の人が多いのでしょうか
「もともと当社には子育て中の社員が多く、このプロジェクトも子育て中の女性社員がメインとなり、これに賛同した子育て男性社員たちと立ち上げたものです。子育てにおいて『あたりまえとして、あきらめていること』『つらいことだけど、世の中でそういうものと認識されていること』を洗い出しました」
――スマホを使ったアイデアが珍しいですね
「製作スタッフの『スマホを使って動きをつければかわいいのでは?』との発言がきっかけでした。プロジェクトの想いを伝えるには、賛同者を増やし、世の中に広げていくことも必要だという考えもあり、グッズだけでなくスマホのダウンロード機能をつくり、世の中へ広がる仕組みとしました」
――プロジェクトはオリックス生命だけの取り組みですか
「同じ志をもった『ウーマンエキサイト』さんの活動も応援させていただいております。今後、他の団体との連携も検討していきたいと思います」
――今後の展開は
「当社主催のイベントや、お客さま向けセミナーなどを展開していく予定です」
――動画の冒頭は泣き声から始まりますね
「実際、子どもは予告なく急に泣き出したりするものなので、動画でもその状況をお伝えすることで、より視聴者の方に日常で起こりうる場面を短時間でお伝えできると考え、泣き声から始まる動画とさせていただきました。驚いたり、不快な思いをされたりした方には、大変申し訳ないと思います」
――今回のプロジェクトでこだわった点は
「本プロジェクトはママパパを応援するのと同時に、ママパパ・泣いている子どもからの『泣いちゃってごめんね』という気持ちをマークで伝えるプロジェクトも行っています。お互いを思いやれる社会の環境づくりができるように、デジタルを活用し、動画を使って広くこれらの想いを届けようと考えました」
――評価の声が多いようですが、「プロジェクトに甘えて子どもを泣かせっぱなしにするような親が増えないといいな」といった声も上がっています
「女性メンバーの中から、『このプロジェクトに便乗して、子どもを泣かせっぱなしにしているのではないかと周りから思われるのではないか』という声が出ました。そこで、周りからのサポートの意思表示だけでなく、ママパパ側からの意思表示も必要だと考え、先ほどの『泣いちゃってごめんね』マークも作成しました」
――最後にメッセージをお願いします
「子育て中のママパパも、子育て中でない方も、一丸となって子どもたちの未来をあたたかく見守っていけるような社会になればと願っています。このような社会になるよう、皆さまのご協力をお願いできればと思います」
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