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コラム

私たち、このままだと捕まっちゃう? 漫画家夫婦が描く「共謀罪」

「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織的犯罪処罰法改正案って何?

漫画「戦慄!!うにゅ子一家」の一場面=作・横山了一さん、絵・加藤マユミさん
漫画「戦慄!!うにゅ子一家」の一場面=作・横山了一さん、絵・加藤マユミさん

 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織的犯罪処罰法改正案って何? ツイッターに投稿した漫画「戦国コミケ」が話題になった漫画家・横山了一さんと、「発酵かあさん」で知られる妻で漫画家の加藤マユミさんが、夫婦で描きました。

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漫画「戦慄!!うにゅ子一家」=作・横山了一さん、絵・加藤マユミさん
漫画「戦慄!!うにゅ子一家」=作・横山了一さん、絵・加藤マユミさん
 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織的犯罪処罰法改正案が今月6日、衆院本会議で審議入りしました。

 安倍晋三首相は東京五輪などを控え、「テロ対策は喫緊の課題」として成立を急ぐ姿勢を強調。民進、共産両党は「監視社会をつくる」などと法案の危険性を指摘し、自由と社民を含めた野党4党は廃案を訴えています。
漫画「戦慄!!うにゅ子一家」の一場面=作・横山了一さん、絵・加藤マユミさん
漫画「戦慄!!うにゅ子一家」の一場面=作・横山了一さん、絵・加藤マユミさん
 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織的犯罪処罰法改正案とはどんな法案なのか? 朝日新聞ではこう解説されています。

 「『テロリズム集団その他の組織的犯罪集団』のメンバーが、資金や物品の手配、下見その他の『準備行為』を行うことを要件に、計画段階から罪に問う内容。小泉政権で3回にわたり提出し、廃案となった共謀罪法案を衣替えした。政府は国際組織犯罪防止条約締結とテロ対策のために必要だとして、『テロ等準備罪』の呼び名を使っている」

 仲間同士で犯罪をしようと合意した段階で罪に問うもので、実行行為を処罰する日本の刑事法の原則を大きく変えることになる、この法案。国際組織犯罪防止条約の締結などを理由に2000年代に3回、国会に法案が提出されましたが、「一般の市民団体や労働組合が対象となる」「思想や内心を理由に処罰される」と批判を浴び、いずれも廃案になった経緯があります。
漫画「戦慄!!うにゅ子一家」の一場面=作・横山了一さん、絵・加藤マユミさん
漫画「戦慄!!うにゅ子一家」の一場面=作・横山了一さん、絵・加藤マユミさん
 安倍首相は「我が国が、テロ組織による犯罪を含む国際的な組織犯罪の抜け穴となることを防ぐ」などとして、テロ対策にとって法案の早期成立が必要としています。

 これに対し、野党側は「法案はテロ対策の万能薬ではない」「誰もが処罰の対象になりうる」「ひとたび内心を処罰する法律をつくれば、時の政権と捜査機関次第で、恣意的に解釈される」と反論しています。

 表記をめぐっては、新聞社によって異なっています。法案が国会提出された翌日の3月22日付朝刊の見出しで、括弧付きの「共謀罪」を使用した在京紙は、朝日、毎日、日経、東京の各紙。読売、産経は政府の呼称「テロ等準備罪」から「等」を抜いた「テロ準備罪」を使いました。
漫画「戦慄!!うにゅ子一家」の一場面=作・横山了一さん、絵・加藤マユミさん
漫画「戦慄!!うにゅ子一家」の一場面=作・横山了一さん、絵・加藤マユミさん

【夫・横山了一】 漫画家。育児漫画「息子の俺への態度が基本的にヒドイので漫画にしてみました」(リイド社)や、北海道&関西エッセイ漫画「北のダンナと西のヨメ」(飛鳥新社)などが主な著作

【妻・加藤マユミ】 二児の母でもある漫画家。主な著作は、自家製発酵食品について描いた「発酵かあさん」(リイド社)や、出版社擬人化コメディ「飯田橋のふたばちゃん」(双葉社)など

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