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お花見で「卓上コンロ」が爆発! 危なすぎる「二つの使い方」
花見客が使っていた卓上コンロのガスボンベが破裂し、6人がやけどを負う事故が起きました。花見シーズンに使う機会が増えるコンロ。どんな使い方をすると破裂の危険があるのでしょうか。製品事故の調査をしている独立行政法人「製品評価技術基盤機構」(NITE)に聞きました。
今月4日、宮崎県延岡市の城山公園で事故は起きました。大学生グループが2台の卓上コンロを並べ、それぞれに丸形プレートを置いて肉を焼いていました。
すると、一台のボンベが突然破裂。6人が顔や腕にやけどを負い、うち3人が入院しました。
延岡市消防本部によると事故原因は調査中。ただ、現場の状況などから二つの可能性が浮上していると言います。
一つ目は、コンロに対して大きすぎるプレートで肉を焼いていたこと。
NITE製品安全センターの酒井健一専門官は「コンロ全体を覆うような大きな調理器具を使うと、器具の熱がボンベに伝わりやすくなり、破裂を招く恐れがあります」と指摘します。
NITEでは特に破裂につながる使い方として、二つのコンロを並べ、大きな鉄板をかぶせた状況で検証実験をしています。火力を「強」にして加熱。すると点火から12分55秒でボンベが破裂し、激しい炎があがりました。
さらにもう一つの要因もあったのではないかと、消防本部は見ています。
特に古い機種の卓上コンロは、鍋を下から支える「五徳」を裏返して収納できます。しかし、これが事故原因になりがちで、今回も五徳を裏返したままコンロを使っていたという大学生の証言があります。
酒井さんは「2台のコンロで鍋の高さをそろえたいといった理由で、五徳を裏返して使う人がいます。すると鍋がコンロに接してしまい、コンロ全体が過熱されてボンベ破裂につながる恐れがあります」。
酒井さんによると、ほかにもボンベ破裂を招く使い方があります。
キャンプでは炭火をおこすため、コンロで炭を熱してしまう人も。しかし、炭は高温になり、すぐには冷めません。ボンベが熱されて、破裂に至ったケースがあります。
NITEによると2014年度までの5年間で、屋外でのコンロやボンベによる事故は7件発生しています。8人が重軽傷を負いました。酒井さんは「コンロの注意書きをしっかり読み、正しい使い方をして欲しい」と強調します。
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