コラム
Uターンしたら逆に生きやすくなった僕が気づいた、都会と地方の違い
「都心部で生きづらさを感じている方なら、地方の方がより快適さを感じやすい瞬間もあるのでは?」という仮説のもと、僕が気づいた地方での生活魅力ポイントをいくつか挙げてみたいと思います。
コラム
「都心部で生きづらさを感じている方なら、地方の方がより快適さを感じやすい瞬間もあるのでは?」という仮説のもと、僕が気づいた地方での生活魅力ポイントをいくつか挙げてみたいと思います。
こんにちは、長野県在住ライターの宮原です。
プラハンでは「元うつ病ライター」として、主にうつ病に関する記事を数本書いてきましたが、過去ダントツでPV(閲覧)数が多かった代表作はうつ病と全く関係のない、『字幕付きAV』というものを紹介した記事です。そんな僕ですが、どうぞよろしくお願いします。
さて突然ですが、皆さんはいまどちらにお住まいでしょうか?もし僕のような地方在住であれば、他のプラハンの記事を読んで頂くか、そっとタブを閉じて漫画喫茶に行きドリンクバーを飲みながら「HUNTER×HUNTER」とか「中間管理録トネガワ」を読んでお楽しみ頂ければと思います。
今回この記事を読んで頂きたいのは、「東京をはじめとする都心部に住みながら、生きづらさを感じている方」を想定しています。
僕は18歳の高校卒業とともに東京に住み始めまして、長らく「東京サイコー!もう田舎とはオサラバや!」と思っていたのですが、結局32歳になったタイミングで地元の長野に戻り、現在半年ほど経ちました。
ところが、(相変わらず「東京サイコー!」とは思いつつも)、
「あれ、地方も思ったほど悪くないな・・・」
と、以前と地元に対する感じ方が変わったことに最近気づきまして。
いうなれば、子供の頃は苦手だった春菊が、最近は美味しくてたまんない感じになった現象と似ています。今も昔も春菊の味は変わらないのに、僕はいつの間にか春菊の良さを理解できるようになったようです。
そこで、「都心部で生きづらさを感じている方なら、地方の方がより快適さを感じやすい瞬間もあるのでは?」という仮説のもと、僕が気づいた地方での生活魅力ポイントをいくつか挙げてみたいと思います。
【仕事・お金】【遊び】【自動車】といったテーマの順番でご説明していきます。
「地方は仕事がない」や「賃金が安い」といった話を聞いたことがあると思います。実際、東京と地方を比較すると、平均年収にして数十万円〜200万円ほども開きがあります(詳しくは「厚生労働省 都道府県 平均年収」とかでググってください)。
金銭面は暮らしに直結しますし、割と絶望的な感じで語られがちですが、これって次にようにも考えられると思うんです。
「東京の人と比べれば、みんな若干貧乏!お金持ちの人があんまりいない!!やったぜ!」
ある程度の年齢になると、同年代と比較して手取りとか年収とかって気になるポイントではあるんですが、基本的にみんな若干少ないとなれば多少気楽に受け止められますよね。だって、データに出ているんですから。統計データ最高。
仕事の種類だって、東京に溢れているような華やかだったりキラキラして見えるものがそもそも無かったりして、雑に言えば地方に住んでいればみんな似たり寄ったり、同じようなものばかりです。
東京などでは、絶えず日々新たな観光スポットやシャレオツショップやイベントなどが誕生しています。そしてそれを楽しむ方達が数多くいます。
しかし、いかんせん僕は人見知り&出不精なので、そういうところに滅多に行きませんでしたし、そもそもそれほど積極的に行きたいとも思っていなかったのです。
ですが、同時にそういう明るいワイワイした世界への憧れは持っていました。興味が無いわけでもないのに行けない自分、臆病な自分。これがコンプレックスを絶妙に突いてきました。
しかし、長野だったらどうでしょう?
「そもそも、オシャレスポットとか全然ない!多分、今後もあんま増えない!!」
そうです。そもそも存在しないものに対してやきもきする必要はありませんよね(いや、オシャレっぽいお店とかウェイウェイしたイベントが全く無いわけじゃないですが、非常に少ないレアな存在なのです)。
ちなみに、長野に戻った僕がこの半年で、数少ないながらも遊びにでかけた回数が多い場所はどこだと思いますか?
それは「高原の牧場に併設されてる、ふれあい動物園」ですよ。
牛さんとか子豚さんとかウサギさん、超可愛い。ヤギさんや羊さんの気だるい表情とか最高。
そんなわけで、基本は家でyoutubeと2ちゃんまとめを観て過ごす僕のようなインドア派としては「遊びに行く場所が無い」というのは逆に嬉しい限りです。そもそも行きたいような場所が無いのならしょうがないよねー!カーッ、困った困った!!
そんな感じで、胸を張ってインドア生活をより満喫できるようになりました。
さて、都心部と地方の生活で、大きく違う点の代表格が「自動車」です。生活にはかかせないため「車社会」なんてフレーズがありますが、割とバスの交通網が整備された市街地エリアに住んでいる僕も、車がないと相当不便です。
『わざわざ車に乗らないと生活できないなんて・・・』
と、面倒臭いイメージもあることでしょう。そもそも運転の経験が少なく苦手な人もいるでしょう。僕も全く同意見でした。
ところが、車に乗ってみるとそんなイメージを覆す点がいくつかありました。
「車、めっちゃ楽!疲れない!!」
そう、車移動って、肉体的にすごく楽チンなんですよね。例えば、東京に住むあなたが自宅から繁華街など栄えたエリアに行くまでをイメージしてみてください。
まず家から最寄駅まで5〜15分 → 徒歩か自転車
改札を通り、ホームで5〜10分程度電車を待つ → 立ってる
電車に乗り込んでから15分ほど移動 → 人混みのなか、立ってる
路線乗り換えのため駅構内を3分ほど移動 → 徒歩
またホームで待つこと5分 → 立ってる
電車に乗り、目的の駅まで10分ほど移動 → 立ってる
駅に到着したら目的地最寄りの駅出口に移動 → 徒歩
この行程中、あなたはずっと「動きっぱなし or 立ちっぱなし」なんです。
え?『駅のホームや、車両内で座れるじゃん』??
そんなの、運でしょうが!時間帯によってはギューギューでしょうが!!それと、場合によってはお年寄りや必要とする方には席を譲りましょうね!!
さて、車ならどうでしょう?
家を出て、駐車場の車に乗り込みます → すぐ座る
目的地までの運転中 → 座りっぱなし
はい、これだけです。なにこのシンプルな行程。どれだけ移動時間がかかろうが、座りっぱです。足腰への慈愛が満ち溢れ過ぎてる。
というわけで、肉体的に全然疲れないんですよね。スゴすぎます。
運転に不慣れということで「いや、運転とか恐いんですけど・・・」と思う方もいるでしょうが、その不安を生む要素のひとつに「都会で見る、複雑な道と恐ろしく大きな車線」といった道路のイメージが強く影響していませんか?地方であればそんな恐い道は殆どありません。
ただ真っ直ぐの平凡な国道と、歩行者が全然いない路地をのんびりゴーカート感覚で走るだけです。完全ペーパードライバー&運転センスの無い僕ですら普通に対応できているので安心してください。
その他には、自動車にはこんなメリットがありました。
「ガンガン全力で声を出しても問題なし!」
車って、ある意味個室じゃないですか。走行中なんて、多少の音漏れなんか関係ないですし。
つまりストレスが溜まった時に、どんなに叫んだって、独り言をぶつぶつ発しても、GLAYの名曲「Winter, again」を唄っても全然良いんです。すごくリラックス&ストレス発散になりますよね。
これが、もし電車だとアレですよね。うっかりGLAYの名曲「HOWEVER」を熱唱してしまうと、多分ツイッターで隠し撮りされた動画をアップされてバズってしまう可能性があるので、控えるしかありません。
ツイッターと言いましたが関連して、電車ではなく車に乗ることによる大きな変化がもうひとつ。
「スマホいじれないから、SNSを見る時間大幅減!」
ひとり電車移動している場合、スマホでTwitterやFacebookなどのSNSを見ているという方が結構いるのではないでしょうか?SNSをやっていると、どうしても知ってる人や身近な人が「こんなこと挑戦し始めた」「あんなこと楽しんでる」といった情報が目に入ってきます。
そして、僕みたいに劣等感をどこか抱えてる人にとっては、自分との比較材料になり、精神的に疲弊する原因になってしまいます。でも、スマホチェックが習慣化されているとついついふとした瞬間チェックしてしまうので、抜け出せません。
ところがですね、車を運転してると、まるっとそういう時間が無くなります。よっぽどの渋滞じゃないと全然携帯とか見れないです。結果的に僕は、SNSチェックの時間が大幅に減りました。
これは、デメリットに感じる人もいるかもしれませんが、長い目でみるとメリットに転ずる場合が多そうな気がします。
そんなわけで、今回の記事は要するに「東京の生活にしっくりこなくて疲れてるなら、田舎に引っ越しちゃうのも良いかもね?」という趣旨なのですが、いうても現実的にはそんな突然地方になんか引っ越せないという方が殆どだと思います。東京から離れられない理由もあることでしょうし、地方に住めない理由もあるでしょう。
ただ、大前研一さんという起業家・経営コンサルタントとして著名な方が、『人間が変わる3つの方法』として、
1: 時間配分を変えること
2: 住む場所を変えること
3: 付き合う人を変えること
といったポイントを挙げていました。
東京から地方へ出て行くことをネガティブな表現で「都落ち」だなんていいますよね。しかし、何か苦しくなった時。何を変えたくてしょうがない時。考えもしなかった地方での生活を選択肢に入れてみるのも良いのかもしれません。
おしまい。
【ライター:宮原直孝】